Vol.16 契約書のサイン代理人は誰ができる?中国では?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
契約書への署名 (サイン)は、当事者の意思表示を表す、もっとも重要な法律行為の一つです。中国契約法の第49条には、日本民法の表見代理に相当する内容が規定されてい ます。代理人のサインの効力はどれぐらいあるのでしょうか?

法定代表人とは誰なのか、どのように確認をするのか

 2006年1月 1日に施行された新会社法によると、会社の法定代表人になることができるのは、董事長、執行董事長、そして総経理です。具体的に誰が法定代表人であるか は、営業許可書を見ればすぐに分かります。営業許可書には、会社の名称、所在地、登録資本、経営範囲、法定代表人の氏名などの事項が記載されおり、変更が 生じれば再登記をする必要があります。

 
 通常、名刺の肩書きとその人物は同じはず。しかし、はじめての取り引きだと不安です。それぞれが オリジナルの営業許可書を見せ合い、確認するのが慣例です。法定代表人の署名があれば、会社としての意思表示がはっきりするので、無用なトラブルを回避で きます。

 

中国契約法に定められている表見代理

 契 約法 第49条
「行為者が、行為者に代理権がなく、または代理権を逸脱し、もしくは代理権が消滅した後に、本人の名義で締結をした契約 は、相手方に、行為者に代理権があると信じるに足りる相当な理由があると認められるときは、当該代理行為は効力を有する」

 表見代理とは、 本来は権利のない代理行為でありながら、本人と代理人との一定の関係から、あたかも権利がある者と同じように、その代理行為の効果が本人に帰属するもので す。日本の民法にも同様の規定があります(民法第110条など)。

 個人間の契約では、その当事者同士が話し合い、合意してから契約書を結 びます。まったくの他人が代理をして署名することは少ないでしょう。一方、会社では、会社代表者以外でも契約書に署名する人は数多くいます。特には、職務 権限の範囲内で業務を行う従業員や社内の人たちです。彼らは、時には会社の代理人という立場の上で、契約書に署名をするのです。

 

表見代理がなぜ怖いのか

 実際の契約で多々問題になるのは、契約書を交わしたあとで発生したト ラブルによる契約書の認否です。つまり、合意したのか、それとも合意していなかったのかです。取り引きが増え、お互いに気安くなると、会社の担当者同士で 商談をまとめることが頻発します。法定代表人が直接立ち会わないことも増えてきます。

 (1) その契約書は、法定代表人の合意行為なのか(会社としての行為)

 (2) その契約書は、無権代理人の単独行為なのか(会社に関係がない)

  会社の行為としてみなされた場合(1のケース)、担当者が署名をした契約書の中身は、会社と個人が責任を持たなければなりません。逆に、会社には関係がな いとみなされた場合(2のケース)、署名をした個人の責任となります。あなたが、相手方の会社と契約をしても、裁判で2のケースになれば、大変なことにな るのです!

 「担当者を信じて契約したのに……」このような事態にならぬよう、契約書を交わす際は、法定代表人の署名であること、もしも代理人が 署名するならば、代理人が契約を締結する権限があること(法定代表人の委任状など)を確認してください。

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