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中国と日本の贈収賄禁止規定
気をつけなければいけないポイントの一 つに、中国では公務員だけでなく、民間企業の役職員に対しても贈収賄の罰則が適用されることです。さらに、企業による贈賄では、贈賄の当事者個人に加えて 当該企業に対しても罰則があるという両罰規定が存在します。日本でも新会社法の規定により、会社の発起人や取締役などについての贈収賄を禁止しています。
【日本】
(取締役等の贈収賄罪)
1. 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又 は五百万円以下の罰金に処する。
一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者
二 第九百六十一条に規定する者
三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者
2. 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
【中国】
? 刑法第382条および第383条の汚職罪、第385条および第386条の収賄罪など。
贈収賄に該当するかもしれない取り引きとは?
中国にも不正競争防止法の法律があります。不正競 争防止法とは、「工業上または商業上の公正な慣習に反するすべての競争行為は、不正競争行為」と規定されています(1911 年パリ条約ワシントン改正条約)。
【中国】
不正競争防止法 第8条
物品の売買のため秘密 裏に賄賂を贈ること。
具体的には、値引きやキックバックなどが該当します。相手方の会計帳簿において適正に反映されていない場合は、裏リ ベートなどの賄賂と判定される恐れがあります。あとで間違いなく突合せできるように、請求書と領収書の管理には気をつけましょう。
中国で訴追を受けないためにはどうすればよいのか?
贈賄罪の訴追基準とは、その金員などが賄 賂などに該当し違法かどうかを判断する一つの基準のことです。中には社会的に慣行の贈り物などがあるため、このような規定が存在すると考えます。しかし、 訴追基準の金額を下回れば問題ないと早合点してはいけません!金額にかかわらず、便宜を図るために金員などを渡すことは、それ自体が不当行為なのです。