Vol.2 どのような税金対策があるか

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

【中国税法】

  2008年1月1日から、内資系企業と外資系企業の企業所得税法が統一され、外資系企業のみに適用されていた優遇税制は廃止・改正されました。秘湯イメージ

では、現在の中国での税法は、どのようになっているのでしょうか?
 
まず【企業所得税】の納税義務者は「居住者企業」と「非居住者企業」に分けられます。
 
「居住者企業」とは
1.中国の法令により中国国内に設立されて企業
2.外国の法律により設立されたが、実際の管理機構が中国国内にある企業
 
「非居住者企業」とは
1.外国の法律により設立され、実際の管理機構が中国国内にない外国企業である。
 
では実際の管理機構とはどのようなものを指すのでしょうか。
 
これは個々の事例ごとに判断されるだろうが、一般的には事務所があり、役員、従業員が駐在していれば【実際の管理機構が中国国内】と判断されることが多いです。
 
課税範囲において大きな違いが無いなら、「居住者企業」であるのか「非居住者企業」であるのかはたいした問題ではないのですが、課税範囲が大きく異なるため、どちらに判断されるかは納税の際には大きな違いとなります。
 
具体的には「居住者企業」は中国国内源泉所得と国外源泉所得の両方が課税範囲となります。
 
一方、「非居住者企業」は恒久的施設を有する企業と恒久的施設を有しない企業にわけられます。
温泉イメージ 
そして課税範囲は以下のようになります。
 
【非居住者企業(恒久的施設を有する企業)】
中国国内源泉所得、恒久的施設と実際関連のある国外源泉所得
 
【非居住者企業(恒久的施設を有しない企業)】
中国国内源泉所得のみ
 
また国内源泉所得か否かを判断する基準は以下のようになります。
 
物品販売所得・・・取引活動の発生地
役務提供所得・・・役務発生地
不動産譲渡所得・・不動産の所在地
動産譲渡所得・・・譲渡企業および施設・固定場所の所在地
株式譲渡所得・・・被投資企業の所在地
配当所得・・・・・分配する企業の所在地
利子所得・・・・・負担企業の所在地
賃貸料所得・・・・施設の所在地
 
上記のとおり、居住者企業と判定されてしまうと国外源泉所得も課税対象とされてしまいます。これは香港などの低税率国に本店を置きタックスプランニングを行っている企業にとっては大きな痛手となります。
 
その為、居住者企業と判定されてしまいそうな企業は、対策を講じるのですが、例えば管理機構を一切、中国に置かず、第三者の中国企業に業務を委託するというケースがあります。

もちろん中国法人にも下記のような優遇税制がありますが、それでも中国内に法人を置かずにというケースは意外に多いのです。
 
【主な優遇制度】
1.小規模薄利企業・・・20%の税率適用
2.ハイテク企業・・・15%の税率適用
3.経済特区および上海浦東地区に所在するハイテク企業・・・税額の二免三減半
(税額の二免三減半とは1,2年目の企業所得税が免除され、3年目から5年目の企業所得税が半減されることをいいます。)
4.恒久的施設を有さない非居住者企業・・・10%の税率適用
5.技術譲渡所得・・・所得500万元まで免税、500万元超税額を半減
6.公共インフラプロジェクト等・・・税額の三免三減半
7.ソフトウェア企業・集積回路設計企業・・・税額の二免三減半
 
では管理機構を中国内に置かないビジネスとはどのようなものがあると思いますか?

次回はその具体例を説明させていただきます。

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