日本人は英文契約が苦手
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英語が分からない!
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量が多くて読みきれない!
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信用されていないのでは?
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偉そうに書かれていてイヤだ!
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条件が厳しすぎる、困った!
英米の契約書は、条項の数が多く、一つひとつ事細かに記載されています。契約書はおろか高度な英語に不慣れな日本人には、「膨大で読みづらい」、「全部読む気がしない」というように、とっつきにくいものではないでしょうか。
また、がんじがらめな契約文を読んで、「信用されていないのではないか?」と感じたり、「高圧的な文章で気が滅入る」とい う感想もよくあります。
英米の契約書は、「最悪の事態を想定し、責任問題をあらかじめ定めておこうとする」ものなのです。
契約書締結までに数ヶ月を要することも珍しくありません。
契約書を作り上げる過程のやり取り(大抵メール)は、契約しようとするビジネスの内容を煮詰める作業ともいえます。
日本人の気質からすると「この辺なら相手も妥協しやすいだろう」と相手の事情をはじめから汲み取ろうとする傾向がありますが、英米型は、まず高めに(相手にとって厳しい)条件を提示しようとする傾向があるのです。
英文契約の特徴
・条項の数が多い
・独特の英単語や言い回しがある
・最悪の事態を想定している
・事細かに責任の所在を明らかにしている
・始めのドラフト(草稿)は条件を厳しくしてあることが多い
交渉の重要ポイント
不明な点を放置しない
・すべての条項を読む
・初心者は経験者や専門家にアドバイスをもらう
・必要があれば翻訳する
・相手方に問い合わせる
ドラフトは交渉のスタート地点であると心得る
・ドラフトの内容は交渉可能である
・自社の事情を含め、論理的に説明する
・「No」というだけではなく、代替案(カウンターオファー)を提示する
・一方的な契約ではなく、WIN-WINを目指す
・交渉に時間がかかることは恥ではない(ただし、商機は逃さず)
これまで多くの契約交渉をお手伝いさせていただきましたが、ご依頼をいただく際によく聞かれる質問は、
「この条項が妥当なのかどうなのか、判断がつきません」というものです。法律に抵触するかどうか、というよりも、2社の力関係の間で、主張すべきことを主張し、お互い妥協できる「落としどころ」を探るのが契約交渉だと思います。
よく分からない契約にサインするのは大変危険です。不安を抱えながら締結することは絶対に避け、経験豊富な専門家に意見を求めてください。