雇用に助成金を活用 Vol.04 雇用問題対策助成金の今。派遣社員を正社員にすれば、1人最大100万円支給

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
掲載日:2010年3月4日
連日のように、マスコミを騒がせている非正規社員の解雇問題。それは、大企業だけの問題なのでしょうか。今から起業をする方も知っておいてほしい、マクロの視点や助成金があります。

起業家とマクロ視点

今から起業する方に、非正規社員の解雇と言っても、それほどピンとこない話かも知れません。しかし、起業にはミクロとマクロの観点が必要です。

ミクロとは、起業家の力で対応できるもの。商品説計、価格設定、社員教育など自らの力でサービスUPを提供できる視点のことです。一方、マクロとは起業家の力では対応できないもの。最近の例では、国際的な情勢が絡む為替変動やガソリン価格高騰などが挙げられます。これらは、一個人や企業の力では対応できません。

ガソリンスタンドや飲食店が原油の値上がりで多く倒産したように、起業家もマクロ視点で、大きな波に対応できる力と眼をもっていないと死活問題になります。そして、毎年常に繰り返される、法律の改正もあります。その中でももっとも重要なのは、製造業の2009年問題です。

 

雇用維持や調整の助成金とは

事の起こりは2006年に電機・自動車など、国の基幹事業の製造現場を支えている派遣社員の派遣期間を、3年間までに定めたことです。その期間が終了後、企業側は派遣契約をいったん打ち切るか、直接雇用に切り替える(正社員化する)義務を負います。この不況下のため、多くの派遣社員が契約打ち切りになる可能性があります。こういった法律改正など「起業家にとってのマクロ」の問題は、常に考えなくてはなりません。法律が変ったから倒産した、人材をすべて解雇したでは、起業家としてリスク管理を問われます。

 

現在、政府が調整している助成金や雇用維持の内容は以下のようになります。今のうちに知っておいたほうがよいものばかりなのでぜひこの機会に知っておいてください。

1、非正規労働者(派遣社員や契約社員)を正社員として採用した企業に、1人あたり最大100万円(大企業は半額)を支給(現在調整中)。

2、中小企業緊急雇用安定助成金~経済情勢等で売上等が5%以上減少し、社員を休業させる必要性がある場合、休業手当の一部を助成。

助成率や教育訓練費を引き上げ上げられました。
○助成率を,休業手当の3分の2から5分の4の金額に引き上げました。
○教育訓練を実施した際の教育訓練費を1人1日 1200円から1人1日6000円に引き上げました。

3、離職者住居支援給付金(仮称)

やむを得ず派遣労働者や有期契約労働者の雇用契約の中途解除や雇止め等を行った場合、当該労働者に対し離職後も引き続き住居を無償で提供するか、住居に係る費用を負担した事業主を支援するため、離職者住居支援給付金(仮称)が創設されます。

【支給額】
対象労働者1名につき、4~6 万円を支給 1ヵ月から6ヵ月まで(予定)

 

助成金と経営の関係

助成金は、国の政策や景気等に左右され、どんどん改正されたり新規に作られるものです(今回の雇用調整関係や少子高齢化等)。情報に敏感になり、ぜひマクロの視点をもって経営してください。

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