夫との離別など、さまざまな理由で母親が子供を一人で育てなければならない母子家庭のお母さんは全国に大勢 います。しかし、なかにはパート勤務のために所得水準が低く、安定的な職業に就けない人がいます。そんな母子家庭のお母さんを応援するのが、今回紹介する 「常用雇用転換奨励給付金」です。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/bosikatei/1c.html
この給付金は、まず母子家庭のお母さんをハローワークの紹介で新規にパートタイムとして雇用します。 その後職業能力訓練を実施し、採用から6カ月以内に正社員(期間の定めのない雇用)として迎え入れた事業主に対して支払われます。
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助成金を利用するにはどうするの?
この助成金は、窓口が各市町村の福祉課などが窓口となりま す。ただ、市町村によってはこの「常用雇用転換奨励金」の制度を導入していない自治体もあります。ですので、まず自社がある自治体にこの制度があるのかを 確認し、母子家庭のお母さんを雇用する前に市町村の窓口で事前に相談して「職業訓練計画書」の作成を行いましょう。
そして、採用した本人 の承諾を得て「職業訓練実施計画書」を該当する市町村の窓口へ提出、雇用後6カ月以内に正社員(期間に定めのない契約)に転換することが必要となります。
助成金は、いくらもらえるの?
この助成金は、所定の条件を満たし、パートタイマーから正社員 (期間に定めのない)に採用後6カ月以内に転換した事業主に対して30万円が支給されます。
助成金を利用するには
下記の条件をすべて満たす事業主であることが必要です。
・雇 用保険の適用事業主であること
・ハローワーク(公共職業安定所)などの紹介を受けて雇用したものであること
・正社員へ転換 後、引き続き6カ月間継続雇用していること
・過去6カ月間において事業主の都合により労働者を解雇したことがないこと
・過去 3年間に雇用したことのある者を再び雇用するものではないこと
・事前に市町村の担当窓口に相談があった事業主であること
労 働者が助成金の対象となるには、下記の条件をすべて満たしていなければなりません。
・児童扶養手当を受けている又は同様の所得水準にあるこ と
・ハローワークなどの職業紹介機関に求職の申し込みをしていること
・有期雇用の後、常用雇用に転換し、就業に際して制約が ないこと。
・必ずしも常用雇用に転換されるものではないなど訓練実施計画書の内容について理解し、了承していること
助成金を利用する際の注意点
この助成金は、母子家庭のお母さんをパートタイマーから正社員に 転換することで、経済的な自立を支援する事業主(社長)に支給されるものです。そのため、当然のことながら社会保険などの加入要件を満たしている場合には 社会保険にも加入させる必要があります。また、採用する本人に対しては、「職業訓練計画」に基づいて指導、育成を行う必要があります。安易な気持ちでこの 助成金を利用しようと考えるのはやめてください。