今回ご紹介するの は、ハローワークで「職業訓練」を受けることができる条件を備えた人を自社で採用することを前提に考えて、一定期間職業訓練(最大3カ月)を行う事業主に 対して支給されるものです。それが、「求人セット型委託訓練」です。
この制度には、助成金の他にも2つのメリットがあります。
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この制度には、どんなメリットがありますか?
「求人セット型委託訓練」のメリットですが、
1. 正式に採用する前に本人の適正が見られる
2.訓練期間中は、賃金を支払う必要がない
の2つです。
特に事業主 に大きなメリットとして感じられることは、訓練期間中であれば対象労働者に対しての賃金の支払いが必要ないことです。この期間中は国から基本手当など(失 業手当など)が本人に支払われますので、事業主が支払わなくてもよいのです。
助 成金を利用するにはどうするの?
この助成金利用の窓口はハローワークになります。ハローワークへ求人を出している、または、これから出 そうとしている事業主は、窓口にて「求人セット型委託訓練」を行いたい旨を申し出てください。
そうすれば「ハローワーク」または各地にあ る「雇用能力開発機構」より連絡が入り、事業所を訪問して訓練を行う職種や訓練内容などについての打ち合わせを行った上で、「委託訓練受託申込書・カリ キュラム」などの作成支援が行われます。その後、作成し終わった書類をハローワークへ持って行き、正式に「求人セット型委託訓練」の申し込みをしてくださ い。
助成金はいくらもらえるの?
この助成金を利用すると、受 け入れた事業所に対して訓練生1名あたり月額2万5303円が訓練委託費として支払われます。
助成金を利用できる主な要件は?
この助成金を利用するには、下記の条件をすべて満たす事業主で あることが必要です。
・ハローワークへ求人を出している、またはこれから求人をだそうとしている事業主であること
・雇用保険 の適用事業主であること
・訓練期間終了後、訓練生に職務遂行能力がある場合に採用する希望のあること
・過去6カ月間において 事業主の都合により労働者を解雇したことがないこと
・訓練する者を以前に雇用したことがなく、採用の予約をしていないこと
・ 労働保険料を過去2年間滞納していないこと
・過去に助成金の不正受給をしていないこと
この助成金を利用する際の注意点
この助成金は、あくまでも就職が困難な人たちを対象に自社で職 業訓練を実施し、常用雇用につなげることを援助する事業です。よって、労働条件が事前訪問時の調査対象になる場合がありますし、労働基準法を遵守すること も当然必要になります。
なお、この訓練期間中は訓練生に対してさまざまな要件があります。
・勤務時間は、午前8時から午後6時 までの間で実働6時間以上8時間以内
・早出、残業は禁止
・休日は原則として土曜日・日曜日・祝祭日
・通勤を除 く自動車の運転は禁止
その他にもさまざまな要件がありますので、検討する前に最寄りのハローワークで相談されることをおすすめします。