今回は、通所介護 (デイサービス)を行っている会社さんが活用した事例をご紹介します。 ご紹介する助成金は、「特定求職者雇用開発助成金」です。
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この助成金を活用するには
まず、この助成金を利用するには大き な4つのルールがあります。
・ハローワークの紹介で、採用すること。
・対象者を「期間の定めのない雇用」で雇うこと。
・ すでに、雇用保険に加入している事業所の事業主であること。
・対象者を雇用した日から雇用保険に加入させること。
この「特 定求職者」とは、母子家庭のお母さん、60歳以上65歳未満の高齢者、障害者などが対象者になります。
今回、この助成金を活用してデイ サービスの介護スタッフとして採用したのは、母子家庭のお母さんでした。デイサービスのような介護事業の職場では、大勢の女性が働いています。社長の奥さ んが子育て中のこともあり、積極的に母子家庭のお母さんを社員、パート社員として、積極的に活用をしています。この「特定求職者雇用開発助成金」の助成金 は2007年の10月に改正されて、中小企業の場合、週30時間以上の勤務者として雇用すると、一人60万円、週20時間以上30時間未満の短時間勤務者 として雇用しても、40万円が支給されます。今回は、正社員1名、短時間勤務社員(パート社員)1名を採用しましたので、合計100万円を受給できる見込 みです。
助成金の目的
この助成金の目的は、いわゆる就職困難者である方々を 「期間の定めなく雇用して、安定した職業環境を提供する事業主に助成するものです。なお、この助成金の特徴の一つとして、正社員より勤務時間が少ない 「パート社員」として採用しても、助成金の対象となるということが挙げられます。なお、賃金に関しては最低賃金以上を支払うことが必要です。助成金の支給 終了後も引き続き雇用を継続することも必要になります。
助成金のポイント
ポ イントは、あくまでもハローワークの紹介で採用することが必要だということです。ハローワークからの紹介はがきを持参した対象者を面接して採用した場合の み有効となります。
民間の求人広告で募集して、この助成金の対象者となりうる人を採用しても、残念ながらこの助成金は支給されません。
対象者を採用しますと、しばらくして、管轄の「ハローワーク」から助成金の申請書類一式が会社へ送られてきます。採用して6カ月経過した後、1カ月以内に 必要な書類を添付して提出期限までに提出してください。
申請のポイントは、毎回申しておりますが会社の都合で従業員を解雇しないこと、そ して申請期限を守ることです。
この助成金を活用している社長さんは、「介護の職場では女性の職員抜きで成り立つことはできません。私たち の職場は、デイサービスなので、夜勤がありません。お子さんの学校の行事等でお休みが取れるように、前月に皆の希望を聞き、職員の勤務時間のローテーショ ンカレンダーを作成してお互いに助け合いながら働いてもらっています」とおっしゃっていました。
人を採用する時に、お子さんの発熱や、学 校行事等で早退する場合が想定されるため母子家庭のお母さんを積極的に採用しない場合があります。しかし、母子家庭のお母さんも働ける職場環境作りは今後 ますます必要になってくるのではないでしょうか。ぜひこの助成金を活用されることをお勧めします。
特定求職者雇用開発助成金についてはこちら(東京労働局HP)