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金融機関から嫌われる融資申込内容とは
創業時に融資を申し込んでも、金融機関から嫌われるケースがあります。その中の一つが「資金用途がはっきりしない融資申込」です。なぜ、このような融資のケースなどが起こりうるのでしょうか?資金用途がはっきりしない理由は、主に2つ考えられます。
1.本当の資金用途を隠しているため、はっきり説明できないケース。
2.資金の使途が、借り手である起業家にもはっきりわかっていないケース。
1.のケースは、いくつかの会社を経営している社長が、赤字の会社に迂回融資をするケースなどです。起業時には、他のことに資金を回すだけの余裕はないと思われますので、1のケースはほとんどないでしょう。
逆に、これから起業しようという方に多いのが2.のケースです。資金用途が起業家自身にもはっきりわかっていないのです。「そんなことがあるはずない。」と思われるかもしれません。しかし、現実には単純に「借りられるだけ借りたい」という考えの方も多数いらっしゃいます。ではなぜ「借りられるだけ借りたい」という考え方は嫌われるのでしょうか?
「借りられるだけ借りたい」は経営上どうなのか
「借りられるだけ借りたいという考え方」が嫌われる理由は、明確な理由もなくそのようなことを考える経営者では、返済計画もキチンと立てられるわけはないと判断されるからです。
返済原資は、下記のような式で求められます。
売上 - 経費 + 減価償却費 → 返済原資
この式から割り出された返済原資から融資の元本を返済をしていきます(利息は経費になる)。当然、借入金が倍になれば返済額も倍になります。つまり、融資申し込み時に売上額の見込み計画を提出しているのに、借りられるだけ借りたいからといって、売上額がそのままで、返済額だけが2倍になる事業計画に融資をすることはありえないわけです。
融資希望額には根拠が必要・NGワードはこれ
今回ご紹介するNGワードは「いくら借りられますか?」という言葉です。
融資の申し込み順序として、先に事業計画や使い道があって、資金繰りを考え融資申し込みをするはずです。
そうなれば「いくら必要なので、その金額を借りられませんか?」という話の仕方になります。しっかりとした調査が出来た事業計画書を作成していれば、その事業に実際どのくらいの資金が必要だということはわかっているからです。しかし、面談時に「いくら借りられますか?」という言葉を聞くと、「この人は、大丈夫かな?」という気持ちにさせてしまうことも事実です。
面接担当者もプロですから、そういった言葉はちゃんと聞いています。面接時に、不安になってしまい、「いくら借りられますか?」と言ってしまう気持もわかりますし、それを言ったからといって、即融資されないというものではありません。しかし、事業計画書に自信が無いことを露呈してしまうことにもなりかねないので注意したほうが良いと思います。
自分で作った起業計画は、人生の計画書です。逆にその計画がキチンとしていないのならば、まだ起業する段階ではないということになります。「いくら借りられますか?」という言葉が、自らの起業計画そのものの否定にかかわってくるキーワードだということになるのです。
時間がかかってもかまいません。自分の人生計画(起業計画)をキチンと立てて、自信をもって面接に挑んでください。