さて、前回の日時資金繰り表を作成した結果、なんと7月20日から資金がショートしはじめ、7月27日にはマイナス700円になることが発覚しました。
前回が6月20日でしたのでそれから1カ月間の間に何ができるかということでしたが、それからあっというまに1週間が過ぎてしまいました。あと3週間しかありません。実際は、この間の1週間でできることをピックアップして、実行できるものはすでに着手していなければなりません。
では、このようなケースでできることとはどのようなことがあるのでしょうか。キャッシュフローと横文字で言えばかっこよいのですが、結局はこれから行うような泥臭い作業となってしまうのですが・・・・・。経理担当の方のように実務的に資金を管理される方は何をすべきか・・・・・。
そして、経理担当の方はこの事態を決して抱え込むことなく社長に報告する必要があります。このような事態を抱え込んで一人で解決しようとして泥沼にはまり込む経理担当の方も多く見てまいりましたので、決してそのようなことはないように!(私自身も経理業務を請け負ったときに同じような経験をしました)
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資金繰りとは
資金繰りとはいえ、結局は足し算引き算の世界ですから、できることはそんなに多くなく、大まかには下記のとおりしかないのです。
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資金繰りとは!
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1・入金を早める
2・支払いを遅らせる
3・借入・増資をする
4・資産を取り崩す
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結局はこの4つしかできないのです。また、下記に5としてその他を上げておきますがお勧めはできません。
では、これらの作業を細かく分類すると下記のとおりです。
1-1 売り上げの入金を早めてもらう
1-2 売上先が手形を切る会社であれば、期日はそのままで手形を早めにきってもらう
2・支払いを遅らせる
2-1 業者の支払いを遅らせる
2-2 給与の支払いを遅らせる
2-3 借り入れの返済の据置の交渉をする
2-4 税金の支払いを遅らせる
2-5 業者の支払いを手形払いに変更する
2-6 社会保険料の支払いを遅らせる
3・借入・増資をする
3-1 銀行・その他金融機関に長期の運転資金として打診する
3-2 銀行・その他金融機関に短期資金として打診する
3-3 社長が会社にお金を貸す
3-4 社長、その他に株主となってもらい増資する
3-5 会社・社長個人契約の生命保険の解約返戻金の範囲内で借り入れする
4・資産を取り崩す
4-1 定期預金を取り崩す
4-2 定期預金を担保に資金調達する
4-3 固定資産を売却する
4-4 生命保険などを解約する
5・その他
5-1 自社が手形を切って業者に渡して割り引いてもらいそのお金を借りる
5-2 他社から振り出してもらった手形を自社の割引枠で割引して使う(いわゆる融通手形)
以上のようなバリエーションでしょうか。ただし、5は見かけを商取引とした単なる借り入れですし、手形を切ることになるのでお勧めできません。この方法をとる段階になるとその会社自身の将来も危ういものと考えられます。
ここのところ短期的な資金繰りに関してのお話となっておりますが、社長としては最低でも会社が儲かっていて資金が足りないのか、赤字で資金が足りないのかを十分認識しておく必要があります。損益上赤字で資金が足りなくなっているのであれば、短期的な資金繰りも重要ですが根本的な収支の状況を見直し、立て直す必要があります。
根本的な収支の状況の見直し
さて、以上のようななかからどの方策をとるかは、その会社の置かれている状況によって大きく変わってきます。また、上記の方策を個別に行うのではなく、並列的に行う必要があります。特に金融機関からの借り入れになると、どうしても審査の期間を1カ月は見たいものです。取引状況にもよりますが、この場合はすぐにでも打診をしたほうがよいでしょう。
次回からは、以上の方法を細かく内容を説明していきたいと思います。
どうにか資金ショートを回避できるか!