資金調達(融資)のノウハウ Vol.17 資金ショート直前に社長がすべき資金繰りとは

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執筆者: ドリームゲート事務局

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さて、本日19日は資金ショート予定の20日の前日です。前号までは、資金繰りの手法に関して詳細にわたり説明してまいりましたが。結局武田商事はどのように対応したのでしょうか。

 最終的には銀行からの支援を受けたことにより7月16日に1000円の融資が実行されたので、ギリギリ大丈夫でした。資金繰り表に落とし込むと下記のとおりです。

タケダ商事 7月分日時資金繰り表詳細

日時 内容 入金 出金 残高
   前月よりの繰越残高   380
7月1日  小口現金引出       30 350
7月5日  リース料支払       20 330
7月10日  買掛金支払        250 80
7月10日  源泉税、住民税支払   20 60
7月15日  その他経費支払   50 10
7月16日  金融機関からの融資 1000   1010
7月20日  借入返済         50 960
7月20日  リース料など経費     80 880
7月20日  買掛金支払        400 480
7月25日  売上回収       300   780
7月25日  買掛金支払        200 580
7月27日  人件費支払        280 300
7月30日  売上回収       300   600
7月30日  買掛金支払        50 550
7月30日  経費支払         20 530
              翌月繰越残高 530

 結局、たくさんの手法がある中から金融機関からの調達を判断した要因は下記のとおりです。

・取引先や関係先に迷惑を掛けたくない。
・金融機関との取り引きを円滑に行っており担当者が前向きに検討してくれた。
・1カ月という期間があったため余裕をもって資金対策をすることができた。

 以上は仮想の要因ですが、このような総合的な判断で今回は銀行からの融資という結末となったわけです。

 ただ、金融機関に対しての交渉方法のポイントとしては技術的なことはさておき業況が良いための前向きの資金として借り入れを行いたい旨をアピールし、交渉した点がよい結果に結びついた形となっております。

 実際融資の実行は、上の資金繰り表のとおり資金ショートの前日となっていますが銀行に対してはこのような逼迫している状況は、おくびにも出さず交渉しなければなりません。

 たとえば、 20日までに融資を実行してくれないと、通常の返済ができないなどと銀行に話をしてしまうと、うまくいく話もだめになってしまいますので注意が必要です。むしろ、のんびりやってくださいというぐらいの余裕の態度でいないと銀行が不安を感じてしまいます。

 現に、もし今回のケースで融資の実行が20日を越えてしまう場合は、社長は不足分の530円を個人の預金を取り崩して資金繰りに使うつもりでいました。逆に、このような個人的な資金のストックを準備できるためにも社長の報酬は高く設定するべきなのです。

 中小零細企業の社長さんたちは毎月このようなタイトな資金繰りに追われていることを考えると、やはり独立、起業することの難しさをしみじみ感じてしまいます。

          資金調達は社長の仕事!
          だけども・・・・・・

 だけども・・・・
 私が感じる中小企業の社長と銀行借り入れとの付き合い方のバランス感覚について次回ご説明したいと思います。

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