暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?こんな暑い日は、仕事終わりの生ビールが最高に美味しいですよね!
さてさて、今回のお店は鰯一筋31年の老舗「長屋」さんを、恐れ多くも分析してみたいと思います。
あと、前回のコラム「飲食店経営の極意 Vol.1 あの白いヒゲの紳士から微笑みが消える?くらいウマい鶏とは!」のときに「感動無くして繁盛無し」と書かせて頂きましたが、僕の中の感動とは、お客様が「写メ」又は「FBやブログへの投稿」のことを意味しています。
誰かに知らせたい、教えてあげたい!という「思いを感じて行動に移すこと=感動」であるとご理解頂けると幸いです!
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僕の統計では100%の写メ率! 360°見た目も楽しめる鰯刺し
元々僕は板前なんです。一とおり居酒屋料理を経験してきましたが、この長屋さんの鰯刺しには胸がズキュン!と打ち抜かれました。
写真を参考にして頂きたいのですが、ぐるりと360°1回転眺めることができる刺身の盛り込みのセンス! そして、季節折々で花や付け合わせが変化します。鰯という大衆魚を最大限に活かした好例ではないでしょうか?
さらに驚くことに、なんとお店のメニューはすべて鰯料理でありそのメニュー数は40種類を超えます。クックパッドもびっくりのレパートリーの多さです。
ちなみに僕が必ず頼む商品は①鰯刺し②鰯の薫製③鰯のつみれ椀④鰯茶漬けです。冬はつみれ鍋、なんと野菜の変わりに7~8種類のキノコがお鍋を豪華に彩ります。 (鍋は冬季限定になります)
専門特化した飲食ビジネスは儲かるのか?
鰯一筋の「長屋」さんですが、このように専門特化した業態で儲かるのでしょうか?
まず始めに断っておきますが、長屋さんの鰯の仕入れ値が幾らなのかを知らないのであくまでも山本の憶測でお伝えいたします。
去年の2013年のマイワシの卸値は50~60円です。しかし7年前は一匹1200円という幻の魚になりかけたこともありますが、基本的には大変、お手頃な大衆魚でございます。恐らく、数字だけで考えると仕入れは安く、売値はそこそこの値段なので、ビジネス的にはきちっと利益を確保できていると思います。
ここで見習うべきものは2点。
①鰯」という主力商品の仕入れ値が安価なこと
②その安価な鰯を技術や商品開発で付加価値を付けているところ
つまり、原価率が低く粗利率が高いという事です。原価率が低い分、調理技術や商品開発の手間=人件費率が高めになりますが、その付加価値によって繁盛店であり続けているという構造ですね。
あとは何よりも、鰯の栄養分とご主人の思い(体が資本)のマッチング。これも長屋さんの31年間も繁盛し続けてきた要素であると強く感じます。
鰯のみで31年間繁盛し続けているお店をぜひ体験して欲しい!
突然ですが、僕は本田宗一郎さんが大好きなんです。言わずと知れた、スーパーカブの開発者であり、本田技研工業株式会社の創立者です。
その本田さんの有名な言葉で、「百聞は一見にしかず、百見は一試にしかず」があります。
今はネットや雑誌で情報を収集することは容易ですが、やはりその場の空間を体験することが一番の学びになるはずです。
新橋という超激戦区を鰯のみで31年間繁盛させ続けている、流行り廃りに流されない筋金入りの鰯専門店「長屋さん」をぜひとも試しに体験してみてはいかがでしょうか?
きっと多くの学びがあること間違いなしです!
バックナンバー
飲食店経営の極意 Vol.1 あの白いヒゲの紳士から微笑みが消える?くらいウマい鶏とは!
飲食店経営の極意 Vol.2 鰯料理のみで31年間繁盛し続ける、奇跡過ぎるお店