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有限会社ドルクスダンケ
代表取締役
坪内俊治さん
前回に引き続き、オオクワガタを中心とした昆虫および飼育用品を販売するネットショップ『オオクワガタの暖家(http://www.e-mushi.com/ )』で起業した、有限会社ドルクスダンケ代表取締役の坪内俊治さんのインタビュー。
有限会社を起業し、ビジネスが軌道に
起業直前の気持ちを、「とに かく不安で、不安で、怖かった。42歳の自分が本当にこの商売で家族を養っていけるのだろうか。生きていけるのだろうか。そんなことを考えると、飯が食え ない、24時間意味もなく足が震える。とにかく怖かった。多分やっていけるだろうとは思っていたが、それでも、起業がこんなに怖いこととは思わなかった」 と語る坪内さんは、2005年2月に有限会社ドルクスダンケを創業。
本業としてのスタートにあたり、その心構えを聞くと、「まずは、家族 の幸せのためが原点であり、一番の基本です。また、不安感は危機感とも言えますが、それが商売への大きなモチベーションになっています。これでお客様に支 持頂けるのか、もっとお客様に喜んで欲しい、という思いも基本にありました」と語る。
ネット商売の信用とは
「できることは徹底してする。できないことは徹底 してしない。誰に対しても同じサービスを心がけています。インターネットの世界なので、お客様への対応に差をつけてしまうと悪い噂にも繋がりかねないと 思っています。ただ、ひとつだけ違うことがあります。それはメール対応です。お問い合せやクレームも含めて、定型文などは使わずに一人ひとりのお客様に合 わせた対応をしています。これこそが、ネットでできる対面販売であり、商品が他店よりも高くても買って頂ける付加価値です。そして、利益があるからこそ一 人ひとりのお客様に時間をかけて、真摯な思いで対応ができます」
起業して うれしかったことは
「儲かったこと(笑)・・・もちろんそれもありますが、自分自身の頭で考えたクワガタを販売 する商売のスタイル、ビジネスモデルがお客様に支持されたこと。ネット市場におけるクワガタ業界の新しいトレンドを創ったと自負できます」
「ただ、ネット市場におけるクワガタ業界の新しいトレンドを創ったパイオニアとして、画像や文章が盗まれることも多いです。そんな時いつも思うことは、オ リジナリティのない人は、決して商売が成功するはずがない。画像や文章をいくら盗んでも本当に大切ことは盗めないから」
本当に大切なことはバックヤード
「ネット商売で本当に大切なことは バックヤードです。オオクワガタの飼育の相談メールがよく来ますが、メールでお答えするには技術がいります。相手の飼育レベルの判断。飼っている虫の種 類。その虫が生後1ヶ月なのか、2ヶ月なのか。質問者のお客様が、何を言って欲しいのかなど、相手の気持ちをくみながら、それらすべてを総合的に判断して的 確に答えられるメール技術が要求されます。そして、その技術にプラスしてハートがないとダメです。ハートとは何か。生きているものの命の大事さを訴え続け ています」
起業を目指す方に一番言いたいことは
「人がやっていることを真似してもダメです。自分で戦略・戦術を考えて、石橋をたたいて渡りながら実践を繰り返します。無茶な経営をして玉砕するのは、最 低のパターンです。出資をしてくれた方、お金を貸してくれた方、多くのお世話になった方々に対して、経営者には責任があります。仮に失敗しても致命傷にな らないように、次の手もきちんと考えていること。そして、商売である以上、売らなければ意味がない。売れないことは悪だとさえ思います。仕事ですので、利 益を出すことは必須です」
2006年度予想は年商7,000万円
8400円のオオクワガタの幼虫から「わらしべ長者」のごとく少しずつ着実に成果を上げてきた坪内さん。2005年には、年商が4500万円にものぼっ た。売り上げの内訳は、虫が30%、飼育用品70%、リピータ率60%。現在、奥様と二人の会社だが、2008年には年商が1億円に達する見込み。「1億 円ぐらいが、夫婦2人でやっていける限界でしょうね。規模の拡大は考えていません。私の商売の原点は家族の幸せのためですから。お客様に喜んで頂きなが ら、家族みんながしあわせになる経営を目指しています」と、最後に語ってくれた。
会 社概要
所在地:愛知県江南市
設立年月:2005年2月
従業員数:2名