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新規参入者の数が市場拡大のスピードを超えている
EC(イー コマース)の市場は、6兆円市場とも言われる巨大な市場となりましたが、一方で、ネットショップを取り巻く環境は年々厳しくなっています。理由の1つとし ては、市場が大きくなっていくにもかかわらず、新規参入者の数がそのスピードを超えているため、一見大きな市場も、商品やサービスの市場に細分化すれば、 小さな市場を多くの競合他社が取り合っている状況だといえます。今から参入するとすれば、すでにある競合他社とどのような差別化をするのか考えてから参入す る必要があるのです。
有名ネットショップのマネをしても仕方がない。参 入するなら一刻も早く!
a,今から参入すれば、必ず先を行く競合他社が存在します。
その競合他 社は何年もEC市場でビジネスをしているかもしれません。そこで多くの方は、まず先行する競合他社のマネをしようと考えます。確かに、うまくいっている競 合他社のマネをすれば、それなりにうまくいくように思うかもしれません。しかし、その競合他社は何年もEC市場でビジネスをしています。その時間分の知識 と経験は、こちらとは雲泥の差があります。それは、ホームページの見栄えだけではなく、お客様とのコミュニケーションの取り方、顧客の維持の仕方など、見 えない部分もたくさんあるわけです。
b,インターネットを取り巻く環境は、ものすごいスピードで変化しています。
2000年以前のWEBサービスが出始めたころ、2000年代前半のブロードバンドの普及によるネットユーザーが急激に増加していった時代、それらの時代 と現在は、全く環境が違います。2000年以前のWEBサービスが出始めたころは、いかに「文字」でこだわりやお店としての姿勢を伝えるかが重要でした。 ブロードバンドが普及し始め、ネットユーザーが急激に増加したころは、メールマガジンの発行が有効なツールでした。ですが、それなりのホームページ、メー ルマガジンも手軽に作ることができます。競合他社が激増している時代なのです。もし、その競合他社に追いつきたいならば、いち早くEC市場に参入し、知識 と経験をつむ必要があります。
参入余地のある、『スキマ』を発見しよう
すでに多くの競合 他社がいる市場に参入する場合、こちらが参入する余地があるかどうか調べる必要があります。その参入できる『スキマ』を発見したら、なぜそこに誰もいない のかを考えましょう。可能性としては、儲からないから誰もやっていないか、誰も気づいていないかのどちらかでしょう。
「儲からない」のであれば、参入するべきではありません。いかに「気づいていない」市場を見つけ、そこに参入できるかどうかを検 討します。考えたいポイントは以下の6つ。
【外部環境】
・比較的ライバル少ないかどうか
・市場規模がどれぐら いあるか
【内部環境】
・単価高い商品、サービスを提供できるかどうか
・リピート性があるか
・ 粗利益が高い商品、サービスか
・商品、サービスの拡張性はあるか
もちろんこのすべてが当てはまる市場を見つ けるのは、困難を極めます。もし参入することが前提だとすれば、上記項目すべてが当てはまる市場はありませんので、何かを妥協しなければなりません。
スキマの見つけ方はこんな方法で。
『スキマ』を見つけなさいといわれても実際にどうすればい いのでしょうか。具体的に解説していきましょう。
a、自分が参入しようとしている市場の競合調査をする。
・楽 天市場などショッピングモールのランキングをチェックする。
・Yahoo!など検索エンジンで、自社商品・サービスに該当するキーワードで検索 し、
上位表示されているサイトをチェックする。
・検索エンジンで表示されるPPC広告をチェックする。
など。
b、ポジショニングマップを作成する。
一とおり競合店を把握したら、比較的ライバルの少 ない市場を見つけるためにポジショニングマップを作成します。左図のように、縦軸と横軸をさまざまな項目で設定し、考えられる限りのポジショニングマップを作 成します。これを作成することにより、今後の自店の立ち位置を決めます。
【縦軸と横軸の設定例】
・価格と品揃え
・ 品揃えとスピード
・価格と性別
・性別と年齢層
など、自店にあった軸を作って作成してください。
考えられるだけ、 何十とおりも作ってください。
ポイントは、なぜそこにライバルが少ないのかを確認することです。上でも述べたとおり、儲からないから誰も やっていないか、誰も気づいていないかのどちらかです。ですので、「儲からない」のであれば、参入するべきではありません。いかに「気づいていない」市場 を見つけるかがカギとなります。
次に市場規模を調査します。一般的な市場とインターネットでの市場の大きさは若干違うことに留意してくだ さい。一般的な市場、スーパーや百貨店で売れている商品と、ネットで売れている商品は違います。ネットの場合、その商品に関するキーワードがどれだけ検索 されているかによって、市場規模を確認します。
フェレットプラス等で月間検索数の調査をします。(ここで出てきた数字は、あくまで目安です。)
そ のキーワードでの検索結果にもよりますが、月間1万回ぐらい検索されているキーワードがいいと思います。
市場があり、儲けも期待でき、 継続して運営できる市場が見つかれば、今後そこで勝負することになります。
いずれにしても、今や新規参入は非常に厳しい状態です。参入前に、ス キマを発見し、競合他社との差別化を図り、事業計画をしっかり作って参入しなければなりません。