Vol.8 不況の今こそ、高く売ろう!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
どこよりも安く、 どこよりも品揃えを豊富にし、どこよりも早く届く。一見理想的なすばらしいネットショップのように思われます。他社との差別化をするために、安易に「安 い、早い、多い」を打ち出すお店もありますが、計画なしで安易にこれらを謳うと、自分の首を絞めかねません。今回は、「安さ」を売りにすることにどのよう なデメリットがあり、その対処法はどのようなものがあるのかを解説していきたいと思います。

「安さ」を打ち出す落し穴    

安さを売り出せば、お客様 の心を引き付けることはできるかもしれません。しかし、

落し穴A、安い物、または安いときにしか買わない(客単価の低い) お客様が集まる
落し穴B、受注、出荷などの処理件数が増えるので、人件費等がかかり、利益が出ない
落し穴C、競合他社が多いと、価格競争 に巻き込まれる

などといったデメリットがあります。 8-2

1件の注文に対する処理コストは、客単価が1000円であろうが1万円であろうが、対して変わりません。し かし、1000円のものを100個送るのと、1万円のものを10個送るのでは人件費から考えても必然的に後者のほうが利益が残るのは明らかです。安く売る ということは、自社の利益を削っているわけですから、苦しくなるのは当然です。

では、価格を下げずに売上を上げるためには、どう すればよいのでしょうか?

 

 

安さをウリにしない販売手法 その1

対処法とし ては、
a、コンセプトとターゲットを明確にし、自社のポジショニングを確立します。
b、客単価を上げるための仕掛け作りと、定番商 品への引き上げ力強化

の2つが上げられます。
aは、価格以外での付加価値をつけ、他社との差別化することを意味します。ポジ ショニングの確立の仕方については、「Vol.6 これからネットショップに参入する人のための注意すべき3つのポイント」をご参照いただけたらと思います。

8-1なぜ似たような商品、サービスを扱うお店が数多くある中、自店が選ばれるのか、または自店を選んで買う必要があるのかを考え、それを 表現し、お客様に伝えることが必要で す。これは、転換率の向上、リピート率のアップにも繋がる、大変重要なことです。

例えば、 「水槽屋.com(http://www.suiso-ya.com/)」 では、ただ単に水槽を揃え、販売していただけのお店でしたが、それでは競合他社に価格面で勝てないので、ターゲットを「初心者(初めて水槽を買う方)」に 絞り、フィルター、底床石、バクテリア、水草などのオールインワンセットを販売しの結果、売上げが0円から1年で、月商100万円になりました。競合他社 と 比較し、自店のポジショニングを確立した結果、売上げが伸びました。

 

安さをウリにしない販売手法 その2

また、お客様は単に安いからといった理由で購入を決定 しているわけではありません。お客様は一定の基準を設けて、その基準を満たし ているお店の中から、安いお店を選んでいます。その基準というのが、サイトの 信用性とか、アフターサービスの有無、クレジットカードが使えるかどうか、お店の知名度、口コミやお客様の声、専門性、品揃え、コンセプトなどとなるわけ です。

「安さ」で訴求することは確かにお客様にとっても分かりやすく、行動に移しやすい要因になりやすいです。しかし、それだけで はボリュームメリットを出せる大企業ならともかく、小さなお店にとっては、運営が大変になるだけです。安易に安売りに走るのではなく、自店の未来のために 真剣に考えていただけたらと思います。

bの客単価を上げるための仕掛け作りと、定番商品への引き上げ力強化とは、例えば見込み客 を獲得するために、単価の低い「お試し商品」を用意する場合があります。お試し商品を販売する場合は、お試し商品を購入したお客様を、定番商品の購 入に繋げる仕組み、販売力が必要です。定番商品の購入に繋げる力がその商品にある、または、定番商品の購入に繋げる販売力をお店が持っていること が前提です。
もちろん、定番商品の購入つなげやすい商品なのかどうかも考えないといけません。闇雲に見込み客発見のためにお試し商品を売り出して も、そこに計画がなければ、お試し商品ばかりが売れていき、定番商品が全く売れないという本末転倒なことになるのはよくある話です。

定番商 品Aのお試し商品を作ったとして、そのお試し商品を購入したお客様のなかで、何%の人が定番商品Aの購入に繋がっているか検証し、そのパーセンテージを上 げる努力をするのか、商品をBに替えるのかなど検討します。

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図: リピーター対策シート

私の丹波篠山いのうえ黒豆農園の場合、図のようなリピーター対策シートを作り、お試し商品や広告を使って、 何%の人がリピーターに繋がっているのかを検証しています。 これはリピート率向上のための対策でもありますので、手を抜かず考えていただきたい項目です。 

 

安さをウリにするときは、感謝の気持ちとして

「安さ」をウリにせず、平均客単価をあげるには、価 格 競争に巻き込まれない自店の立ち位置を確立し、自店とお客様の信頼関係を築くことにより回避できます。「安さ」を売りにすることは簡単です。ですが、日ご ろからよく買ってくれるお客様に、感謝の気持ちとして(リピート注文獲得のために)「安さ」を提供するべきです。

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