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ランニングの拡がる世界
2月末からキューバに取材に出向いた。ベルリン映画祭 から帰ってきて、一週間したらキューバだ。なんとも忙しい生活になっている今日この頃だが、海外の空気はいつも私をフレッシュなマインドにしてくれるし、 まだまだ世界は広いんだ、ということを教えてくれるいい教師だったりする。
出張先ではどんなに寒いところだろうが、狭いところだろうが、汚いところだろうが、走ることを日課にしている。タクシーなどを使って車 で動いてしまうと、窓に映っては消えていくただの景色にしか思えない異国の地が、走ることでISO感度を上げたフィルムのようにはっきりと頭のなかに写り 込んでいくから不思議だ。
毎回走る場所を変えるとたくさんの発見がある。カンヌでは路地裏の隠れ家的なレストランを発見し、ベルリンでは老舗の包丁屋を見つけ た。上海では怒られて追いかけられたこともあったけど、こちらは走り専門の時間を送っているので、スピーディーに逃げることができた(笑)。冗談はさてお き、偶然すれ違ったランナー同士で挨拶するのも、万国共通だ。
ランニングコンピューターForerunner305
東京マラソンもあったし、にわかにランナー人口が増えると確信している私からちょっとしたご紹介を。それがGarminというモバイルGPS専門 の会社が創りだしたForerunner305だ。端的になにそれ!な話をすると、GPS内蔵の腕時計と心拍計がセットになったランニングコンピュータで ある。
以前も同メーカーから同じようなものが出ていたのだが、何せデカイし重かった。今度の305はその大きさを劇的に小さくし、小型化に成 功している。ナチュラルなランニングなのに、なんでGPSが必要なのか?それはこの時計が自然に走った場所と距離などを自動記憶し、自分の記憶とは別に詳 細な記憶データとして貯めることにある。
Google Earthで走行軌跡が描ける!?
Garminはいつの間にかウェブ企業になっているみたいで、蓄積された情報をクレードルを通してMotionbasedと連動することで、 Google Earthに自らが走った軌跡を描くことができるのだった。世界中の街という街をどう走ったか、不思議と軌跡を眺めることであの空気感がもう一度思い出せ るかも知れない。そんなドキドキ感をくれるガジェットに出合ったのは、本当に久しぶりだ。
知らない間に足跡が取れていくというのは、なんとなくこれからヒットするような気がする。覚えておけばいいじゃん!という人には要らな いかも知れないが、デジタルの利便性はその保存性と検索性だ。私は走ることで街の記憶をより鮮明に覚えているが、さらにその思い出をビビッドにリコールし てくれるものなら、大歓迎!