Vol.5 価格.comが「アキバ総研」で発信する秋葉原の魅力

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
メディアの立場から見た秋葉原の現状について、「アキバ総研」を開設している株式会社カカクコムの鎌田氏と甲斐氏にお話を聞いて見ました。

「アキバ総研」開設のきっかけは?

鎌田氏

株 式会社カカクコムが提供しているサービス「価格.com」は「インターネットの秋葉原」などよく表現されることがあります。「価格.com」はさまざまな 商品やサービスの価格を比較できサービスを提供しておりますが、家電やパソコン関連など通販ショップが多いため実際のリアルな店舗の情報掲載の拡大を目指 し秋葉原の店舗との関係強化のために2002年8月より取り組みました。

「アキバ総研」の名前の由来は?

鎌田氏

当時、パソコンとかPCという名前を入れるとすでに他社のメディアなどが存在しており、アキバは入れたい、総合的に深く情報を提供したいことなどを考え、家電だけでない秋葉原の魅力を総合的に広げていきたいことから「アキバ総研」と名づけました。

 

現状の「アキバ総研」を聞かせてください。

鎌田氏

利用者数は当初月間数万程度で、担当者1人で運営しておりましたが、現在は月間20万UU(ユニークユーザー数)、多いときは30万UUに利用者が増加し、組織編制も2名体制にしております。

ただ、ここ数年では、若干利用者の増加が伸び悩んでいます。

その理由は、価格.comのコンテンツの中心がパソコンやPCパーツ情報で展開しておりましたが、秋葉原自体がこの4年間で様変わりし、リアルなマーケットでPCパーツのマーケットが厳しくなっていることとが起因していると考えています。

ユー ザー視点の変化として「パソコンの町からオタクの町へ」と変化しており、アキバ総研としては、昨今オタク系コンテンツも導入し始め、情報の構成は PC50%、オタク系50%構成に変更しています。リニューアルも進めており、PCパーツやオタク系、そして飲食などの情報も加え、総合的な情報を発信し ていきたいと考えています。

 

アキバ総研から見た秋葉原の状況はどうですか?

鎌田氏

全体的には「厳しい」のではないか?

まず電気街ですが、大手量販店は厳しい状況と思われます。消費者は、ネット通販で購入するのが当たり前の時代になり、店舗販売とネット販売をうまく活用している企業はいいのですが、店舗に拘りすぎる店舗は風当たりが厳しくなってきていると思います。

但 し、秋葉原の持つ強みから商品知識の豊富な販売スタッフに相談してその場で購入する人も多くいるようですし、海外からの旅行客(特にアジア系)が年々多く なり、売り上げの底上げしていると思います。旅行客用に多言語化した看板や場内アナウンスなど店舗側の工夫も見られます。半数以上が旅行客への販売と言う 店舗もあると思います。

予想ですが中小のPCパーツ店は、全盛期と比べ3分の1は店舗がなくなっているのではないでしょうか。その背景には、自作PCに興味が希薄化していることやパソコン自体が安くなっていることと起因していると思われます。

ジャンクとおりの中古部品は調子のよい店舗が出てきていますが、家電やパソコンには厳しい状況があると思います。

 

家電やパソコン以外ではどうでしょうか?

流れが、アニメ・コミック・ゲーム・同人に代わってきており、秋葉原の風景も変わったのではないでしょうか。アダルトゲームなど、かなり濃いジャンルは調子いいと思います。

鉄道模型などの秋葉原ならではのものは変わらない存在感をみせていますね。

多様化している秋葉原 日曜日は観光地「原宿の竹下とおり」のような賑わいの町になった

か つてないほど賑わっています。ヨドバシカメラの進出により、相乗効果を生んでいると思います。観光地として「アキバ」は重要なスポットで、海外の有名人や VIPが来て「大人買い」するケースもあります。週末の歩行者天国では中央とおりはすごい人で、裏とおりもPCパーツ店やメイドカフェが立ったことにより、今 までアキバにいなかったタイプの人が歩いています。そして、急激に同人ショップ・ゲーム販売店も増加しています。

 

これからの秋葉原に何が必要でしょうか?

甲斐氏

映画館があったらいいな!

意外と、普通の飲食店やサービス店が少ないので、もっと増えれば女性も行きやすいですよね。

鎌田氏

秋 葉原に来る人達の増加に伴い、普通のものを求められてきていると考えられます。夜遅くまで開店している店舗も増え、少しずつ遅くまでいれる町になってきて います。ドンキホーテやヨドバシカメラ、UDXの飲食店ではワインバーや本格的なフレンチなどもあります。また、終電までJRの乗り入れが可能となり、 ターミナルとしてもかなり魅力的になりました。

 

必要なのは「宿泊施設」、秋葉原にはカプセルなどの宿泊施設が少ないことですね。

海外からの旅行客や朝一番で整理券を求めて並ぶための施設が必要だと思います。

 

これからの秋葉原はどうなって欲しいですか?

鎌田氏

「独 特な文化を残して欲しい」と思います。世界的にも珍しい都市なので、あまり洗練されて欲しくないですね。ごちゃごちゃ感や雑多感はそのままで、「欲しいモ ノが見付からなければ、最後は秋葉原に行くしかない」という存在感を強くもたれるように活性化を図っていきたい。戦後からあるお店が残って欲しいです!

「ア キバ総研」では、そんなカルチャーを伝えていきたいと考えており、歴史のある店や新しいお店など両方の顔があることが大切です。ラジカルなところだけでな く、昔ながらのアキバのよさを作っていきたいと考えております。新規オープンの店舗もどんどん情報掲載し、応援していきますので、秋葉原で起業される方は アキバ総研にご一報ください。

 

取材を終えて

 現在、アキバ総研を初め秋葉原の情報を取り上げるメディアは多数あり、アキバ総研の収入源の中心は広告収入ですが、鎌田氏曰くまだ多くの収益を上げているものではなく、価格.comとの相乗効果が非常にあるコンテンツとして取り組んでいるようです。

飲食店やサービス・販売店を開業する場合、メディアが多いに取り上げてくれる秋葉原。
「秋葉原電気振興会」などが展開している「電気祭り」など、町全体がメディアを活用し来場者を工夫しているエリアでもあります。
店舗の告知は商売上必要な要素ですが、告知に活用できるメディアの存在がないエリア、あるエリアでは大きな違いが生じると思います。

秋葉原には、バックアップするメディアが多数あるということが秋葉原で起業する人のきっかけになればと思います。

 

アキバ総研
http://kakaku.com/akiba/

価格.com
http://kakaku.com/

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