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科学的な分析の第一歩として、店頭のデータをどう生かすのか
「店頭のデータは今までの過去の数字ですから、将来なんてわからないでしょう」という人が多いですが、実はわかる事がたくさんあります。さらに、「数字で見て も現場はわかりませんよ」という人がいますが、現場にいてもわからない事が数字からの分析でわかるのです。
まずは、基本的な帳票はどの店 舗でもあるともいますが、それをグラフ化してみてください。
売上高グラフ、アイテム別売上高グラフ、仕入先別売上高グラフ、仕入れ時期ごと 別売上高グラフ、予算との進捗グラフ、個人別売上高グラフ、固定客数グラフ、(アイテム別・仕入先別・仕入れ時期別)在庫グラフ、利益グラフ、経費グラ フ、納品・返品高グラフ、入店客数グラフ、客単価グラフ、売上点数グラフ、セット率グラフ・・・などです。しかもそれを1カ月単位だけではなく、日々単 位、週間単位で、さらに移動合計やシェアなどがある場合はパーセンテージでのグラフを作ってみてください。
これくらいなら別にパソコンが あろうがなかろうができます。
毎週グラフを更新して、何がどう変化しているのかを見てみることです。
数字がおかしければ、 現場で原因を確認します。数字が変化していれば、現場で原因を確認します。数字が変わらなければ、ここでもまた現場で原因を確認します。こうすれば、少し ずつ分析できるようになって来るでしょう。さらに慣れてくれば、近似値直線や相関や双対尺度法などを使っていくと、現場では見えない原因や予測が見えてき ます。
論理を積み重ねなければ、ノウハウは一切たまらない。
マニュアルはノウハウではありません。
マニュアルよりも大事なのは、「今週こう改善したら途中こういう結果が出た、だから週中でさらにこう 改善したら、結果こうなった」というプロセスを明確に記録した資料と、その経験から導き出された、「べからず集」や「ヒント集」です。
これ がその店に合ったノウハウなのです。
売上集計用紙や連絡帳や販売日報ではありません。少なくても年間52回毎週1枚は資料ができるはずで す。さらに分野別に分ければ毎週数枚以上の資料が出来るはずです。これを集めていつも見直し、活用できるように再編したものをノウハウというのです。これ を少なくとも店舗が存続する限り継続することです。トップの頭の中に入っている(本当にすべての事が入っているでしょうか)とか、優秀なスタッフが多い (ということは、優秀でないスタッフもいるといううことの証です)から当社では必要ないとか、そのようないい加減な状況では、トップとして人を預かるには 無責任すぎるのではないでしょうか。