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核テナントを見よう
核となるテナントがどういった業態なのかが商業施設を見るうえでもっとも重要です。
・ デイリー性の高い業態なのか、
・ ディスカウント系なのか
・ 百貨店のようなアップグレード型の業態なのか
・ フルターゲット業態なのか、ファミリー向けなどの特定の客層をターゲットにした業態なのか
・ 核テナントの面積が大型であるのか、それほどでもないのか、核テナント自体がないのか
・ その他
核テナントは商業 施設の来店目的を大きく左右するだけに、シーズンに1回行くだけの業態なのか、毎週でも行くのかが他のテナントの売上計画にも大きく影響を受けます。例え ば、ららぽーと豊洲を見ると核テナントとはっきり言えるテナントが見つかりません。食品スーパーなどはややアップグレード型でアネックスで展開してます し、東急ハンズなども小型の業態で展開です。専門店全体が集まった一種のファッションビルのような業態であることがわかります。
LAZONA川崎プラザはホームセンターやビックカメラなどの家電大型専門店、赤ちゃん本舗のようなディスカウント業態も入ってます。業態のバラエティが あるために、いろいろな客層がちがった来店目的でも対応できるような複数の客層を狙った業態であることがわかります。駅に隣接していることもあって客層が 広いことも影響していると思います。
メイン導線を歩いて見ます
商業施設のメイン導線は売上げを左右する上でも商業施設自体のイメージを左右する上でも大きな要因です。まずメインの入口から入ってお客様の流れに乗って 歩いてみましょう。途中で流れがなくなったり、迷うような分岐点があったり、核テナントに吸い込まれていったりなどがあると思います。一番いいのは、流れ についてまわったらあまり迷うことなく疲れずに、一応の核テナントもそこそこのテナントも見てまわることができるような状態です。回遊型と複導線型の導線 を使っているところなんかは、自分で判断して歩いていかないと目的のテナントに行き着くことはできません。LAZONA川崎プラザなんかはあえてそれを 狙っているような印象を受けます。
駐車場の出入りが楽かどうかを体験してみよう
都心のファッションビルならいざ知らず、最近のほとんどの商業施設は車での来店をメインに考えています。駅と直結しているLAZONA川崎でも駐車場は 2000台規模あります。この手のほとんどの大型商業施設は駐車場が2000台-3000台規模であるのが普通で、それほど大商圏のお客様を呼び込まない と商業施設としては儲からないということです。しかしその駐車場の台数が多くても各主要道路から行きやすく、駐車場から一般道路に出やすいなどのところが クリアになっていないと、一度行ったお客様はあまり行きたくないと思うものです。特にリージョナル型の商業施設は来店頻度が毎週なんかではなく月1回ある いはシーズンに1回ぐらいの頻度になりますから、一度でも不便と思った場合はその来店頻度自体も大きく落ち込み、しいては客数がどんどん減ってくるという ことになりがちです。
アミューズメント型施設に注目してみよう
アミューズメント施設はあれば結構楽しいものですが、実際には商業施設を作るうえでは表と裏があります。たとえばシネマコンプレックス。複数のスクリーン を持って常時いろいろなテーマの映画を上映しているテナントですが、集客力はヒット映画があればあります。しかし、映画自体の上映時間がありますから、そ の間駐車場は車で埋まってしまいます。つまり物販系のテナントに来るお客様が駐車場に入ろうと思っても、いっぱいで入れないということがたびたび土日に 限って起こるものなのです。これでは物販系のテナントは売り上げは上がりません。キッザニア東京があるららぽーと豊洲なんかは周りに関連販売が期待できそ うなテナントを配置して関連購買があがるような工夫をしています。
競合商業施設 に注目してみよう
ららぽーと豊洲は、テナントの中にライフスタイル志向のテナントが比較的多く入店しています。たとえば「無印良品」「フランフラン」「ACUTUS」「カ リモク」・・・などです。しかし、ちょっと近くの商業施設を見てみますと、ららぽーとTOKYO-BAYのテナントやIKEAや東京インテリアやニトリな どそうそうたる家具・ホームファニシングの店舗があります。購入金額がいきなり増えるわけではありませんから、何がしかの変化があるわけです。競合してい る部分もあれば差別化されている部分もあるわけです。これを見ることが大切なのです。
LAZONA川崎プラザであれば、ビックカメラと川 崎駅の反対側のルフロンに出店しているヨドバシカメラを見てみるだけでもいいでしょう。