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1点単価を上げて本当に売れるのか
単価があがると、売れれば売り上げはあがりますが、売れなければ在庫が増え経営に支障が出てきます。単価があがることで買上げ率はどうなるでしょ う。一般的には下がります。同時に販売する側のスキルが要求されるでしょう。販売時にお客様のニーズ・ウオンツをつかむ能力と、それに対応させて接客する 能力が必要になるということです。
販売側の対応能力がそれほどないのであれば、次の手は商圏を広げることになります。商圏を広げると、販促をするのにもそれなりに経費がかかりま す。顧客管理もより複雑になるでしょう。
このように、1点単価を上げることでいろいろな条件が変わってきます。よく何年も経営していると、売り上げを上げる方法で、一番最初に考えやすい ことですが意外と難しいことであることがわかります。一度、1点単価を上げてしまいますと、顧客が離れることがありますので、上げて効果が出なかったとき の対応方法はさらに難しいことになります。結論的には1点単価を上げることはよほどのことがない限り得策ではないということです。
パック率を上げる
ならば、パック率を上げるという方法では、どうなるのでしょう。
パック率とは、別名、関連販売率ともいわれています。1点販売するときに、それと関連する商品をもう1点買っていただくという方法です。これなら 1点単価が下がってもトータルで売り上げがとれるでしょう。1点単価が下がることで、最初の1点目を買うお客様は増えると思います。
しか し、この方法でもやはり問題はあります。関連販売で販売しているものが、本当に魅力的な関連で買って意味がある商品なのかどうかということです。パソコン の販売のように、今の容量が足りないのでメモリーの買い足しをしましたというのではありませんからということです。さらに、パック率を上げるには、販売時 の見せ方に工夫がいります。POPで訴求したり、販売時に推奨したりするだけではなく、目の前に関連商品が展開されていて買いやすいということも求められ ます。これには売り場つくりの段階から、綿密な展開場所の計画が必要です。
展開するのが計画的でなければ、主力商品よりも関連商品のほう が目立っていて、関連商品ごと売れないということも頻繁にあるからです。販売のピーク時にガーンと数字をつくることができにくい問題もあります。さらに は、関連商品の在庫が切れた段階になると、1点単価が下がった分だけ数字も下がるということも起こります。
第3の方法はあるのか
今まで述べた方法でいくと、どちらもいいところと悪いところがあります。今度はそれ以外の方法を考えてみます。ここでヒントになるのは、単価を下 げると買上げ率があがるということです。ならば、単品でもいいから単価を下げれば買上げ率があがり、単価を下げた商品が多ければ、結果、客単価はトータル であがるという考え方です。これなら、接客のレベルを上げたり、関連商品を選んだりする必要は大きく減ります。実はこの方法がもっとも確実な方法だったり するわけです。