「自分力」とは何か?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

出題・解説:羽根 拓也(アクティブラーニングスクール代表)

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「違 い」を生み出すことが「大切なことの記憶」や、「プレゼンテーションで聞き手に何かを伝える」ための重要な鍵だとこれまでに話してきた。「どういう分野で 起業するか?」「どんな商品を開発していくか?」「どんな成功を目指すのか?」といった起業の選択においても、この原理原則の重要さは言うまでもない。今 回は、他人とは違った自分の強みを生かす「自分力」についてお話してみたい。

「キムタクみたいになりたいんですよ。 かっこいいじゃないですか?キムタクの話し方とか、、、。あんな風になって僕ももてるようになりたいですね」。こんな話を最近、ある大学生から聞いた。憧 れの対象をもつことは悪いことではない。理想とする人から学ぶべきものを自分の中に取り込んでいこうという姿勢も自己成長のためには望ましいことだ。しか し、時にそこに悲劇が起こりうる。あまりにもキムタクからかけ離れている人がキムタクを目指す場合だ。残念ながらすべての人がキムタクになれるわけではな い。あなたがなれるのは、唯一、あなた自身だけなのだ。この当たり前の言葉の中に、実は、自己成長の鍵が隠されている。

アクティブラーニ ングを指導する立場から、理想へと向かう人々を数多く指導してきた。そんな中で、望むべき理想には「必要な資質」があるということに気がついた。例えば、 ビル・ゲイツ氏がマイクロソフトを作り上げることができたのは、ゲイツ氏の中に、類まれなるソフトウエア開発の能力があり、次に何をすべきかということを 読み解ける優れた洞察力があったからに他ならない。もしゲイツ氏にこれらの資質が無かったならば、今の成功を手に入れていなかったかもしれない。

で は、世界的なビジネスを作り上げるためには、ソフトウェア開発能力という資質が不可欠であるか?答えは否である。IT関連の知識など全くないにも関わら ず、世界的な大成功を収めている人は数多くいる。ヴァージングループを率いるイギリスの起業家、リチャード・ブランソン氏がビル・ゲイツ氏の講演のすぐ後 に講演を行い、ノートブック一冊を取り出してこう言った。「私はこれ一冊ですべてのビジネスを行ってるんですよ。先ほどのビル・ゲイツ氏が聞いたら驚くかも しれないけどね」。

ゲイツ氏とブランソン氏は、どちらも世界的に大成功を収めた優れた起業家である。しかし、彼らは全く正反対の資質を持 ち合わせている。ゲイツ氏の緻密さに対して、ブランソン氏の豪快さ。それぞれ全く別の資質を持っているのにもかかわらず、それぞれだれもがうらやむような 成功をおさめている。

両氏に限らず、多くの起業家を研究してみると、それぞれの起業家が全く異なった資質を持って成功しているということ がわかる。緻密さで成功した人、根性で成功した人、人徳で成功した人、あるいは家族の力で成功できた人などなど。すべての人に共通する成功する要素はないの だろうか?答えは、「ある!」。緻密さで成功している人も、根性で成功している人も、人徳で成功している人も、家族の力で成功した人も、結局は、「自分の 持ち味を最大限に生かして成功している」ということにおいては変わりがない。だれしもが、自分の中に、自分にしかない特徴をもっていることに気づき、これ を最大限に生かす仕事や商品を開発しているのだ。この資質をアクティブラーニングでは「自分力」と呼んでいる。

例えば、あなたが他の人よ り背が高いのであれば、それはあなたの「自分力」である。反対に背が低いのならそれもあなたの「自分力」である。あなたが北海道出身ならそれも「自分力」 だし、一人っ子であるのなら、それも「自分力」である。さらには、あなた自身の心もそうだ。例えば、同じ物事をみても、自分と他人が寸分たがわず同じ感想 をもつことはありえないように、感受性の違いも「自分力」である。簡単に言えば「他者との違い」のことであり、だれもが他者との違いを持つ。

起 業するにあたって、自分の「自分力」が何であるのか、じっくりと考えてみてほしい。「人前で話すのが苦手である」という資質を持った人が、その苦手意識か ら、人前でうまく話せるようになるトレーニング法を開発し、ビジネスとして大成功したケースがアメリカにある。一見マイナスに見えるの要素ですら、あなた がこれを生かそうとさえすれば、強力な「自分力」となりうるのだ。大切なものは「違い」である。

成功している起業家を目指すことは悪いこ とではない。彼の良さを取り入れれば、幾分本人に近づくことはできるであろう。しかし、本人になることはできない。その人がすごいのは「その人がその人ら しく」生きているところだ。もし、その人以上に魅力的になりたいのであれば、唯一の方法は他人にはなく、あなたにしかないもので勝負することである。なぜ なら、あなたが持ち合わせるすべての資質を持ち合わせる人は、世の中であなたしかいないからだ。

今日一日の中で、「自分らしさ」を感じたことが一体いくつあっただろうか?プラス面・マイナス面を含めて「自分らしさ」を大切に育てていくことから始めよう。

 

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 【羽根 拓也 プロフィール】

日 本で塾・予備校の講師を勤めた後、1991年渡米。ペンシルバ大学、ハーバード大学等で語学専任講師として活躍。独自の教授法はアメリカでも高い評価を受 け、94年、ハーバード大学より優秀指導賞(Certificate of Distinction in Teaching)受賞。「知識を与える教育」から、「自己成長力を向上させる教育」こそが、世界に求められていると考え、97年に東京に「アクティブ ラーニングスクール」を開校。これまで日本にはなかった「自己成長力」を育成する教育機関として各界より高い評価を得ている。独自の教育理論えおその指導 方法に、有名企業、政府関係機関、教育機関などより指導依頼が絶えない。

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