行動力を生み出す「発力行為」とは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

出題・解説:羽根 拓也(アクティブラーニングスクール代表)

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起業家に必要なもの、それは自分を突き動かすエネルギーである。エンジンが動いていない車が前に進まないように、エネルギーを発生させられない人もまた、起 業家への道を進むことはできない。今回は、日々の行動を、明日へとつながるエネルギーへと変えていく「発力行為」についてお話ししてみたい。

我 々は日々、さまざまな行動をしている。会社に行ったり、テレビを見たり、スポーツをしたり、、、。行動すれば、通常、エネルギーが消費される。しかし、行為そ のものが逆にエネルギーを発生させ、次の行動の大きな原動力となることがある。アクティブラーニングではこれを「発力行為」と呼んでいる。

例 えば、つい先日、私は登山をした。かなり高い山に登ったので、肉体的にかなり疲労した。しかし、翌週からの仕事はとてもエネルギーに満ちあふれていた。山 を歩き、都会生活では目にしない動植物に触れたことで、普段とは違う「印象」を得ることができたのだ。山へ登るという行為が、翌週へとつながるエネルギー を生み出してくれたのだ。

肉体が食物を必要とするように、我々の精神もまた食物を必要としている。大きな夢や目標に向かって進む時、我々 は意図的に「発力」しやすい行動をとらなければならない。多くの人がこのことの重要性に気づいていない。ご飯を食べるのを忘れる人はいない。しかし、自分 の精神に栄養を与えることを忘れている人が驚くほどいるのだ。

肉体に栄養を与えなければ体はたちまちやせ衰えていく。精神も同様だ。最近やる気がないのも、起業の夢がかなえられないのも、心に栄養が行き渡っていないからではないか?肉体の栄養失調は目に見える。精神の栄養失調は目に見えない。

私 が自分の会社を作ることを計画し始めた頃、起業・独立向けのイベントやセミナーによく足を運んだ。「情報収集」だけが目的ではなかった。実はそれ以上に大 切なことがあった。それは、起業を実現するためのエネルギーを得ること、つまり、明日につながるエネルギーを得ることであった。

起業・独 立関連のイベントは、独特な雰囲気に満ちあふれている。来ている人を観察するだけでも面白い。ギラギラした人、一生懸命な人、中にはお弁当をもった家族連 れさえ見かけた。みんな起業・独立を夢見てがんばっているのだ。「負けていられない。自分ももっとがんばらなければ、、、。」同じ志を持つ人々のいる所に 足を運ぶだけでも、エネルギーは沸いてくる。

こういう会場に来て、カタログだけ集めて帰る人がいる。もったいない。ただカタログをもらうだけでは、明日からの自分に影響を与えるほどのエネルギーは得られないだろう。もっと栄養になる食べものがあるはずだ。例えば、隣の席に座っている人に話し掛けてみてはどうだろう?

「ど んな起業を考えていらっしゃるんですか?」相手は驚き、怪訝そうな顔をするかもしれない。しかし多くの場合、照れながらも自分の境遇をあれこれと話してく れる。私の話し掛けた人々もそうであった。会社をリストラされてがんばろうとしている人、ビルゲイツを超える会社を作ろうと夢見ている人、ビジネスで成功 したら貧しい人に寄付したいんだとこっそりと教えてくれた人など。彼らの話は私を勇気づけ、やる気を与えてくれた。私の将来の夢に対しても、皆がさまざまな エールを送ってくれた。行動の中に「人」をからめると、「発力効果」は倍増する。

セミナー会場では、もっと特上の「発力」方法がある。有 名な起業家や専門家と交わる機会をもつという方法だ。講演で質疑応答の時間があれば、必ず手をあげて質問するべきだ。多くの人前で有名起業家にむけて質問 したという体験は、強烈な「発力効果」をもたらしてくれる。さらに有名起業家の話は、含蓄に飛んでいて参考になることが多い。それが自分の質問に向けて返 された言葉であるという意識が、「発力効果」をさらに倍増させてくれるに違いない。

会場によっては、講演後、講師らと名刺交換の機会を与 えてくれる場合すらある。そういう場合、真っ先に足を運び、起業家と名刺交換してみよう。もちろん、相手があなたのことを覚えてくれる可能性は低いかもし れない。しかし、直接話し掛けたという行為自体があなたに大きなエネルギーを生み出してくれる。

チャンスがあればこんな質問もぶつけてみ よう。「あなたが成功した最大の理由は?」「今、こういうビジネスを考えているがアドバイスを!」短い時間の中でも、起業家達は含蓄のある言葉を返してく れる場合が多い。これらの言葉があなたに与える発力効果は絶大である。うまくいけば、生涯にわたって発力し続ける言葉を手に入れることができるかもしれな い。

「発力行為」を自分の行動パターンに取り組もう。イベント会場だけの話ではない。日々の生活の中で、その行為が発力するものなのかど うかを常に意識して行動してほしい。週末どこに出かけるのか?会社でどんな人と話をするのか?じっくりと見渡してみると、さまざまな環境に、発力の可能性が満 ち溢れていることがよくわかる。「発力行為」を自分の行動パターンに組み込めた時、起業家への道はまた一歩、近づいてくるに違いない。

 

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 【羽根 拓也 プロフィール】

日 本で塾・予備校の講師を勤めた後、1991年渡米。ペンシルバ大学、ハーバード大学等で語学専任講師として活躍。独自の教授法はアメリカでも高い評価を受 け、94年、ハーバード大学より優秀指導賞(Certificate of Distinction in Teaching)受賞。「知識を与える教育」から、「自己成長力を向上させる教育」こそが、世界に求められていると考え、97年に東京に「アクティブ ラーニングスクール」を開校。これまで日本にはなかった「自己成長力」を育成する教育機関として各界より高い評価を得ている。独自の教育理論とその指導 方法に、有名企業、政府関係機関、教育機関などより指導依頼が絶えない。

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