大切なことを忘れない秘訣

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

出題・解説: 羽根 拓也(アクティブラーニングスクール代表)

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す ばらしい起業家の話を聞けば、みなすばらしい起業家になれるだろうか?なれる人となれない人がいる。大成功したビジネスモデルの手法が書かれた本を読め ば、だれもが同じように大儲けができるであろうか?できる人とできない人がいる。違いは「吸収する力」の違いにある。前回、自己成長力の必要性についてお 話した。今回は、さらに話を進めて、自己成長するために、学んだことをいかに「定着」させるかについて話を進めてみたい。

 

「あ、 しまった!」、大切な約束を忘れていたことに気づき、大慌てした経験がないだろうか?注意するようにと言われていたのに、うっかりそのことを忘れてしま い、またしても同じ間違いをしてしまい、周囲に迷惑をかけてしまった。そんな経験も、だれも一度や二度はあるに違いない。

我々は忘れる動 物である。なぜ忘れるのか?しかも困ったことに、「覚えておくべきこと」を忘れてしまう。これはある意味、「悲劇」であると同時に、「喜劇」でもある。覚 えておくべきだということがわかっているのに、覚えておくことができないのだから、こんなばかげたことはない。

「なんでこんなに忘れてし まうんでしょう?頭が悪いからでしょうね。」こうやって嘆く人を何人も調べてみた。さまざまな人を研究してわかったことは、本当に頭が悪いと言える人、少なく とも、本人が嘆いているほど悪い人はほとんどいない。むしろ、悪いと言っている人でも、実際はかなりいいと思える場合が多い。

問題は、「記憶能力」ではなく、「記憶の方法」なのだ。悪いのは「頭」ではない。「頭」の使い方がわかっていないのだ。多くの人がこのことに気づいていない。

ま ず理解しなければならないのは、覚えるべきものごとの「大切さ」の度合いと、それが頭の中に「定着」する度合いは一致しないということだ。大切だからと いって覚えておけるわけではない。ただなんとなく覚えようとしても頭に情報が残るわけではない。しかし、逆もしかりだ。大切でないことでも、きちんと覚え るべき手順をふむと情報は記憶される。

どういう時に覚えられるのか?好きなものなら覚えられる、インパクトの強いことは覚えている、など など。アクティブラーニングでは、これらのさまざまな要因を並べ、それらをグループ化し、最後に何が残るのかを考えてみた。そうしてわかったことは、結局、記 憶を発生させているものは、「印象」の強さなのだということに気が付いた。

情報を受け取る時、強い「印象」が発生すれば、我々の頭は記憶を開始する。例えば、今日電車の中でどんな人に出会っただろう?はっきりと覚えている人がいるだろうか?

もしいると言う人は、何がしか「印象」の強いタイプの人に出会っているはずだ。例えば、身長が飛びぬけて高い人、変わっためがねをかけた人、あるいはものすごく好きなタイプの異性など。印象が強まる要素があれば、脳は記憶を開始する。

特 にこれといって覚えている人はいないという人は、出会った人が、それほど印象の強くない、いわゆる普通の人であったはずだ。普通のおじさん、普通の学生、 普通の子供、印象が発生しない情報が頭の中に入ってくれば、我々の脳は記憶を開始しない。そういった情報は、右から左へ消えていく。頭の中にその情報を残 しておく意味がないと判断するからだ。

ということは、何がしかのことをきちんと頭の中に残しておきたいのなら、「覚えよう」と思うことが大切なのではなく、「印象」が発生するような受け取り方をすることが大切だといえる。

す ばらしい起業家の話をドリームゲートのメルマガで読んだ。この言葉を覚えておこうと思った。しかし「覚えておこう」と思っても記憶は発生しない。必要なの は、「印象」なのだ。覚えておきたいと思ったら、どうすれば強い印象が発生するかを考える習慣をもってほしい。例えば、声に出して読んでみる。紙に書いて 張り出してみる。物理的な行動を伴わせる方が印象に残る。「わざわざ」やるということが、一つのカギになる。

本気で印象を強めたいのであ れば、その起業家に会いに行くのはどうだろう?有名な起業家の話を直接聞くことができれば、印象の強さは相当なものになるはずだ。有名な起業家であればそ う簡単には会ってくれないだろう。しかし、本気でその言葉を心の中に刻み込みたいのなら、会ってくれる方法を考え、粘る必要がある。

断ら れても断られても諦めずに粘りつづけ、やっと6回目に、日本マクドナルドを作り上げた藤田氏に会うことができた高校生がいる。「やるんだったらコンピュー ターをやりなさい。」藤田氏にもらったその言葉をしっかりと心の中に刻み込みこんだその高校生が、将来、ソフトバンクを作った孫正義氏であるという話しは あまりにも有名だ。

大切なことをしっかりと心の中に刻みこみたいのなら、「印象」を強める受け取り方を心がけることが重要だ。なんとなく頭の中に入ってきたものは、原理原則どおり、右から左へと消えていく。今日1日で、あなたの心の中に、何が刻み込まれただろうか?

 

 

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 【羽根 拓也 プロフィール】

日 本で塾・予備校の講師を勤めた後、1991年渡米。ペンシルバ大学、ハーバード大学等で語学専任講師として活躍。独自の教授法はアメリカでも高い評価を受 け、94年、ハーバード大学より優秀指導賞(Certificate of Distinction in Teaching)受賞。「知識を与える教育」から、「自己成長力を向上させる教育」こそが、世界に求められていると考え、97年に東京に「アクティブ ラーニングスクール」を開校。これまで日本にはなかった「自己成長力」を育成する教育機関として各界より高い評価を得ている。独自の教育理論えおその指導 方法に、有名企業、政府関係機関、教育機関などより指導依頼が絶えない。

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