出題・解説: 羽根 拓也(アクティブラーニングスクール代表)
夢 を追いかけたい。挑戦したい気持ちはある。しかしお金がない。技術もない。才能もない。いやいやどうせ自分にはそんなチャンスもない。自分には独立なんて まだまだ先のこと。こんなふうに考えている人にちょっと待った!夢をかなえられなかった理由は、実はその思考パターンにあるのではないだろうか?夢を実現 する人は、全く違う思考パターンを持っている。
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「解決へと向かう思考」と「萎縮へと向かう思考」
自 分の「思い」を実現するにあたって重要な役割を果たすものがある。「障害を乗り越える力」である。実は、これこそが「自分の夢をかなえるため」の最初の キーワードである。ビジネス誌上でベンチャービジネスの旗手といわれるような人の成功談を読むと、とんとん拍子に話が進んだという印象を受けるかもしれな い。実際は、ほとんどの場合が障害の連続である。しかし、障害があるからといって彼らは一度もあきらめることはない。「お金がないから、独立は不可能だ」 とは考えない。「お金がないなら、お金がなくてもできる方法とは何か?」と考える。「家族が反対するからだめだ」とも考えない。「家族が反対するのなら、 彼らが反対しない方法は何か?」と考える。
ここで大切なことは、努力してそう思い込もうとしたとか、耐え抜いたということではない。そこにあるのは浪花節ではなく、淡々と解決法を見つけ出そうとする科学的な思考パターンだ。
このような思考パターンを我々は「解決へと向かう思考」と呼んでいる。目の前に一見困難な問題が立ちはだかっても、すぐにそれを乗り越えられる解決方法が何かと考える思考、独立を実現した人のほとんどが、このような思考パターンを持ち合わせている。
こ れに対して、自分の「思い」を実現できないタイプの人は、その逆だ。「お金がなければ、独立は当然不可能だ」と考え、それ以上考えることをやめてしまう。 なんらかの「否定的側面」を見た瞬間、思考を停止させてしまうので、問題は問題のまま残るし、発展することもない。このような思考パターンを我々は「萎縮 へと向かう思考」と呼んでいる。
独立後、さまざまな障害が波のように押し寄せてくる
「解 決へと向かう思考」が必要になるのは独立前だけではない。独立後、さらに、この思考法が重要になってくる。私自身会社を立ち上げてみて、「まあ、よくもこ れだけいろんな障害があるものだ」と、感心するほどに、さまざまな障害が波のように押し寄せてきた。もしそのたびに、「萎縮へと向かう思考」が出てきたら、私 の会社はとっくにつぶれていただろう。会社を立ち上げ、従業員を引っ張っていくということは、いかなる障害に対しても、常に動じることなく、立ち向かって いくということだ。そこで「解決へと向かう思考」が必要不可欠なのである。
「解決へと向かう思考パターン」が人生を変える
「やっ ぱり独立って大変なんだ、自分にはできそうにもない」。ここまで読んでそう思った人はいないだろうか? まさにその思考こそが「萎縮へと向かう思考」であ る。起業・独立が大変だという一文を読んだだけで自分がトライすることもなく、あなたの思考は萎縮しようとしている。起業・独立が難しいといっても死ぬほ ど難しいわけではない。数え切れないほどの人がすでに起業・独立に成功している。問題は独立が持つ難しさにあるのではなく、自身のその思考パターンにあ る。ここに、くさびを打ち込んでいかないと、起業・独立はいつまでもぼんやりとした空想で終わってしまう。
それを聞いてあなたはどうする?「どうすれば解決へと向かう思考を身につけることができるのか」と考えるのか。あるいは、「やっぱり、私には独立なんて無理無理」と考えるのか。さあ、どちらの思考パターンが出てきたであろうか。
必 要なのは、障害や困難が目の前に立ちふさがったときに、自動的に解決方法を探ろうとする思考パターンである。「解決へと向かう思考」「萎縮へと向かう思 考」、この2つの思考は私たちの日常生活の中で何度でも表れてくる。起業・独立を目指すのであれば、まず自分の思考パターンがどちらに流れることが多いの かを、観察してみることをお勧めする。
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【羽根 拓也 プロフィール】 日 本で塾・予備校の講師を勤めた後、1991年渡米。ペンシルバ大学、ハーバード大学等で語学専任講師として活躍。独自の教授法はアメリカでも高い評価を受 け、94年、ハーバード大学より優秀指導賞(Certificate of Distinction in Teaching)受賞。「知識を与える教育」から、「自己成長力を向上させる教育」こそが、世界に求められていると考え、97年に東京に「アクティブ ラーニングスクール」を開校。これまで日本にはなかった「自己成長力」を育成する教育機関として各界より高い評価を得ている。独自の教育理論えおその指導 方法に、有名企業、政府関係機関、教育機関などより指導依頼が絶えない。 |