- 目次 -
好きなことをやるのは難しい。嫌なことをやらないのは比較的簡単
吉本を離れた後、ほかの会社に就職するという道もありました。いろいろな方から「一緒にやろう」とお誘いをいただいたのも事実です。しかし、私は「個人」 で立つことを選びました。組織を離れた以上、組織には入りたくなかったのです。組織になれば、その組織を維持するための仕事もせざるをえなくなります。そ れは、私の目指す姿ではありません。私の判断基準は、おもしろいと思えるかどうか。嫌なことはやらないので、ストレスもたまりません。たしかに、好きなこ とをやるというのは難しい。しかし、嫌なことはやらないというのは比較的簡単にできます。そうやって、嫌なことを切り落としていくうちに、本当にやりたい ことの方向も見えてくるのかなという気がしています。
世のため人のためになる 仕事をしよう
もうひとつ、使命感というか、起業の動機にもなった思いがあります。それは、「世のた め、人のためになる仕事をしたい」ということ。これまでの人生、自分ひとりの力で渡ってこられたわけでもありません。いろいろな人の恩を受けて生きてきた わけですから、その恩を返していかなくちゃと思うようになってきたのです。
一般 の人を元気にする「有名塾」を始める
そうして見えてきたもののひとつが、「有名塾」です。私が会社で33 年間培ってきたスキルは、「人間のプロデュース」ということにつきます。そこで、今までたまたま芸能界でやってきたことを、一般の世界に移してみようと考 えたのです。ですから、有名塾は、いわゆる有名人を養成する講座ではありません。この場合、「有名」の反対は「無名」ではなく「匿名」なのです。一般の世 界では、多くの悩みを抱え、元気をなくしてしまっている人がたくさんいました。そんな人たちに元気になってもらう「場」が、有名塾なのです。ここで大切な のは、自らを縛っている枠を外してあげること。年齢も職業もバラバラの受講生同士が、肩書きや地位を忘れて、ともに遊んで学び、友達をつくるのです。そう することで、みな驚くほど元気になります。入塾資格は、18歳以上であることだけ。すでに8期生までが卒業し、2006年秋からは9期目に入ります。
アイデンティティ不安に揺らいでいる5L(ファイブエル)世代を元気にする
こうした活動を通 じて気付いたのは、もっともシリアスな悩みを抱えているのが50代男性であるということでした。私自身がまだ50代だったということもあって、共感できる この世代にフォーカスして行き着いたのが「5L(ファイブエル)」という考え方です。雑誌「5L」をつくるための会社もつくりました。資本は出しています が、社長は別の方にお任せしています。私は、あくまでも編集長。今の私の最大のミッションは、「60歳を前にして、アイデンティティ不安に揺らいでいるオ トコどもを元気にすること」なのです。メンテナンスを怠らなければ、かえって値打ちが上がるというのがクラッシックカー。ですから、今の50代を、いかに いいクラッシックカーにするかが私の目標なのです。
団塊の世代は、一生懸命、脇目もふらずに峠を登ってきた世代です。もう少しで頂上とい う段になって、峠の向こう側が見えないことに不安を覚えている。私はつい先日、60歳になったプレ団塊世代にあたりますから、峠の向こう側の景色が少し見 えています。だから、団塊の世代のみなさんの水先案内人になりたいのです。そして、こう言いたい。「ちょっと先に行ってみたけど、大丈夫だよ」と。
メ ンテナンスを怠らなければ、かえって値打ちが上がるというのがクラッシックカー。ですから、今の50代を、いかにいいクラッシックカーにするかが私の目標 なのです。
団塊の世代は、一生懸命、脇目もふらずに峠を登ってきた世代です。もう少しで頂上という段になって、峠の向こう側が見えないこ とに不安を覚えている。私はつい先日、60歳になったプレ団塊世代にあたりますから、峠の向こう側の景色が少し見えています。だから、団塊の世代のみなさ んの水先案内人になりたいのです。そして、こう言いたい。「ちょっと先に行ってみたけど、大丈夫だよ」と。
