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事務所選びのヒント~ハッタリでも、一流の場所を
事務所を構えるなら、やはり一等地にしたいものです。裏とおりに入ってしまうと、仕事内容もちょっと裏とおりっぽくなってくるという気がしませんか? ですから、やっぱり一流の土地、しかも表とおりがいい。そのほうが、人や仕事がやってくる事務所になります。「どこですか?」と聞かれたときに、「どこそこ で乗り換えて、表とおりから入って3本目の云々・・・」それでは、近くに来たのでふらっと立ち寄るというような気はおきなくなるものです。ハッタリでもいい のです。多少家賃は高いかも知れないけれど、一流の場所にはそれ以上の価値があります。
私の事務所は、大阪・心斎橋にあります。お分かりになる方はすぐにピンとくると思いますが、御堂筋と長堀の交差点のすぐそばです。周りを世界の一 流ブランドの路面店に囲まれた、しかも、地下鉄出口前のビルの9階。住所は、1-1-11です。横山やすしさんもよく「ピン(1着)」と言っていました が、これほど覚えやすい住所もありません。
「設備などにおカネが要らない業態だからできること」と言われる方もいらっしゃるかも しれません。確かに、そういう一面はあるでしょう。しかし、独立してコンサルタントをと思っている人がいるならば、場所にはこだわるべきです。誰もが知っ ている場所に事務所があるというのは、それだけで大きな付加価値になるのです。
名刺づくりのポイント~「木村政雄の事務所」の「の」って何ですか?
名刺やロゴで一番大切なのは、印象に残るかどうかです。印象に残るというのは、創業したばかりの会社にとっては大切なことです。タレントでいえ ば、キャラを立てるということ。印象に残らないがために、競合に負けるというのはよくある話なのです。
「木村政雄の事務所」という事務所名は、名刺をつくるときに考えましたが、実は「の」の字を左右反転した形にしています。これは、おもちゃなどを 扱う「トイザらス」のロゴからヒントを得たもの。Toys"R"Usの「R」が反転しているのが妙に印象に残っていたことから、思いつきました。
ところが、当初は黒一色で名刺を刷っていたためか、誰も「の」が反転していることに気がついてくれなかったのです。悔しいので、「の」を青字にし ました。この一文字のためだけに、2色刷りです。青が好きだからという理由で青にしたのですが、後からカラーコンサルタントに見てもらったところ、青は青 でも「新橋色」だと教えてくれました。新橋の花柳界で、着物の裏地に使っていた色だそうで、「お客さんを再び呼ぶ」という意味があるとか。しかも、事務所 の近くの交差点も「新橋」。何か運命的なものを感じます。
また、名刺の肩書きにもちょっと工夫をしています。私は、吉本時代の秘書と二人で事務所を立ち上げましたが、「社長」と「秘書」ではつまらないと 考え、私にはもう肩書きはいらないと、「木村 政雄」とだけ記載し、秘書だった彼女の肩書きは、ともに事務所を立ち上げたという意味で「Partner」にしました。現在、事務所にいる澤は2代目(1 代目は山梨県へ嫁いでいってしまいました…)になりますが、別の肩書きをと考えて、「助っ人」を思いつきました。しかし、「助っ人」では言葉の響きがどう にもオトコっぽいので、ビスケットにしよう!と「B★SUKETTO」が肩書きに。がんばったら、「A★SUKETTO」にしてあげると本人には伝えてい ます。
つまり、名刺に記載する事務所名にしても、肩書きにしても、遊び心を入れてあげることが、僕は大切だと考えているのです。そうすれ ば、そこから会話が生まれ、記憶にも残ります。「木村政雄の事務所の“の”って何ですか?」と言われたら、大成功!なのです。