団塊世代の起業・独立 Vol.11 起業を決意。家族・仲間にはどう伝える?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
起業を決意したの はいいですが、実際に一緒に仕事をする仲間は何人と考えていますか?また、起業することをどのように家族に伝えますか?今回は、私の起業時の事を書きま す。

仲間と起業する? ~まずは、自分の足で立ってから

  いきなりですが、コミュニケーションチャンネルという考え方を知っていますか?例えば、ふたりの人間がいたら、そのコミュニケーションのチャンネルは1 チャンネルということになります。まあ、当たり前ですよね。きわめてシンプルです。では、5人になったら? 10人になったら? 

 実は、 このチャンネル数というのは、「人数 × (人数 – 1) ÷ 2」という数式で表せるのだそうです。数式に当てはめてみると、5人は10チャンネル、10人ならば45チャンネルとなります。人数が5人から10人に なっただけでも、チャンネル数は4倍以上になるわけです。人数が増えるほど、会社の風通しが悪くなるというのも分かりますね。ですから私自身は、パート ナーはひとりでいいと思っているのです。

 吉本興業という会社に33年間勤めた私は、組織の良さはもちろん知っています。でもそれは、プロ ジェクトごとに組織をつくって、目標が達成されれば解散するという形で実現できます。そのほうがはるかに健全だと思うのです。はじめから仲間を募ってみん なでやろうとすると、コミュニケーションチャンネルが複雑になるだけでなく、組織を維持するための仕事までするようになってしまう。組織に依存する人間も 出てくるでしょうし、仲間割れをすることももちろんあるでしょう。ですから、安直に一緒にやろうねというのは、失敗する可能性が高いように思えるのです。

  まずは自分の足で立つこと。一人ひとりがしっかりと自分の基盤を固めてから、その後でアライアンスをするというのが、私の持論です。事実、そうやってとも に仕事をしている会社は何社もあります。

 

家族にどう伝える?  ~案ずるより 産むが易し!?

 会社を辞めて起業をすると決めたのはいいけれど、家族にどう言おうかと悩む人も多いことと思いま す。私も、そのひとりでした。

 子どもたちに「ちょっとあっちへ行ってなさい」と言って、深刻なムードで切り出すのも違うなあと悩んだもの です。そこである朝、出掛けに靴紐を結びながら、見送りに出てきた妻に「会社辞めるかもしれへん」と切り出すことにしました。すると、毎年の夏休みに一カ 月ほどフロリダに滞在する妻に、こう言われました。「来年もアメリカ行けるかなあ」と。私は「ああ、行けると思うよ」と返しました。「じゃあ、いいわ」と 妻。それで、おしまい。おそらく、それまでの私の行動や言葉の端々から、私が会社を辞めようと思っていることは感じていたのでしょう。しかし、見事なプ レッシャーのかけ方だとは思いませんか?「来年もアメリカに行けるかなあ」ということは、今の生活水準を下げないでね、ということ。それでも、「ちょっと 待って!」などと声を荒げるのではなく、こう言ってくれたことには助けられました。

 それから、もうひとり言わなくてはいけない相手、私の 場合はそれが母親でした。変に辞めると言うと「何か悪いことしたんか」となりそうで、こちらもどう言うべきかかなり悩みました。

 ところ が、あるとき実家に帰ると、「さっきまで新聞記者が待っていたよ。名刺を置いていった」と母が言うのです。名刺には「気になるニュースを耳にしました。ま た、ご連絡します」というようなメモが書いてありました。母に「タレントの不祥事か何か?」と聞かれたので、これはいいタイミングだと思い、「会社を辞め ようと思っている」と伝えました。すると、「そらあんたの好きにしたらいいがな」のひとこと…。反対されても辞める覚悟はありましたが、悩んだわりには あっさりとしたひとことでした。意外と家族というのは、ちゃんと分かってくれているものなのかもしれません。

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