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安ければよいというわけではない
皆さんは事務所を開業するに 当たっての報酬額の設定についてどのように考えていますでしょうか。資格の中にはあらかじめ報酬額が決まっているものもありますが、今は多くの資格が報酬 額を自由に決定できるようになっているようです。私が開業している資格である行政書士も以前は報酬額の規定がありましたが、現在はなくなっております。
そこで困るのが事務所の報酬額の設定です。皆さんはどのように設定しますか。もしかしたらネットなどを活用して平均的な報酬額を調べてから設定するかもし れません。もしかしたら、ほかの事務所よりも安い金額で設定をして集客を考えるかもしれませんね。はたして、安ければお客様は来るのでしょうか。正直言っ て、私はあまり来ないのではないかと思います。皆さんは「○○和牛 上カルビ1人前 300円」と言うメニューを見て満足できそうだと注文をしますか。恐 らく「本物なのかな」ですとか「裏があるんじゃないか」と考えると思います。私もそう考えます。つまり、これは事務所の報酬額を設定する際に大切なヒント となるのです。
報酬額決定のコツ
報酬額を決定するときは金額だ けを考えてはいけません。金額だけを考えて設定をすると、最初のうちは一生懸命仕事をしていても、その仕事に慣れてくるとお金が中心となってしまい、最後 の方には、「この金額なのだから、これでよいだろう」と自ら「安かろう悪かろう」の仕事をしてしまうかもしれません。これではせっかく資格で起業をしても 繁栄と継続が難しくなってしまいます。ではどうしたらよいのでしょうか。それは金額ではなくプラスアルファの仕事を設定するのです。例えば、通常であれば 書類の作成だけの仕事でも、作成後2カ月は顧問となってアフターフォローをするなど、付加価値を付けるという方法が挙げられます。これであれば事務所に 入ってくる報酬は一般的な額でありながら、クライアントに満足してもらえることでしょう。現に私の事務所では、報酬額は一般的ですが、口コミなどでクライ アントがきます。それはなぜなのかを考えてみました。その秘密はクライアントに合わせたプラスアルファをしているからです。それもあまり自分の業務に影響 が出たりしない、つまりそれほど労力を尽くさないものばかりです。では、その「プラスアルファ」とは一体何なのでしょうか。それはスバリ、「コミュニケー ション」です。
資格で開業をすると、とかくその場で終わってしまうような仕事が中心となってきます。だからこそ私は、仕事 が一とおり終わった後も、クライアントとのコミュニケーションを大切にしているのです。コミュニケーションのとり方はメールであったり、電話であったり、時 には手紙であったりとさまざまですが、これをやることによって次の依頼につながることもあります。
資格で開業をする際に報酬額を決定する のは大変な仕事です。だからこそ、値段に頭をひねるのではなく、値段は平均的な金額に設定し、その分、自分の持ち味を生かしたプラスアルファを考えること ができれば、それが事務所の繁栄につながるのではないでしょうか。