起業の心得:Vol.01 ゼロからイチを生むチカラ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
何もないところから価値を創造するとはどんなチカラなのか?アントレプレナーシップの定義とは? 
 
 
何もないところから価値を創造するとはどんなチカラなのか?今日はそこを考えてみましょう。私たちは環境を整えてもらって、準備をしてもらって、その中で力を発揮するのは得意です。1年生になったとき、小学校があって、教室もあって、教科書も、先生もいて、「さっ、みんな、がんばって勉強しましょう」ってことになります。就職したとき、そこには会社があって、商品も、得意先も、売り方も、みんな準備されていて、「さっ、しっかり営業やってね」ってことになります。つまり、何かを誰かに用意してもらうことに私たちは慣れています。

 

アントレプレナー・シップとは

 ゼロから何かを立ち上げるには起業家精神が必要です。この起業家精神については実務家から学者まで、いろんな人がいろんな定義をしています。ここではバブソン大学のティモンズ教授の説を、僕なりに定義し直したものをご紹介します。

 アントレプレナーシップとは、単なる精神や能力ではなく、人間の創造的プロセス全体を指し示す言葉です。「ビジョンを確立し、そのビジョン達成のために情熱と確信(自信)をもち、その達成を利害関係者に約束する」まず、ここからアントレプレナーシップはスタートします。

 事業創造のプロセスとは、時として混沌、矛盾、混乱としか見えない起業機会を発見もしくは創造し、同じ起業機会を追及する仲間を集め、組織をつくり、成長に必要なリソース(資源)を自分たちの周りに集めてくる力、それがアントレプレナーシップです。ここで一番大切なスキルは、思いを伝えるコミュニケーションの力です。

 事業創造とは、一攫千金を狙うものではありません。長期的で継続的な価値の創造と分配です。そのために起業家はリスクをとります。ただし、常にそのリスクを最小限にすることを怠りません。そして、一番大切な時に資金繰りに失敗しないことが大切なのです。

 これがアントレプレナーシップです。

 

アントレプレナーシップはスキルか資質か?

 アントレプレナーシップがスキルなら学習して、訓練して、身に付けることができます。資質ならあるかないかですから、ない人にはどうすることもできません。僕は、高校、大学、大学院で、アントレプレナーシップを実践論として教えています。教えているということは、学べるということです。少なくとも僕はそう思っています。アントレプレナーシップは、起業創造のプロセスですが、そこには精神の部分と経営技術・知識の部分があります。後者はマネジメントであったり、マーケティングであったり、ファイナンスであったりします。この部分を教える教育機関は多くあり、MBAもその一つです。

 次に、それでは起業家マインドという精神は教えることが出来るのか?という問題です。まず、起業家マインドが生まれ持ったもの、環境が養ったものだとすると、教えることはできません。はて?起業家マインドとはどこで獲得する精神なのでしょうか?

 資質とは遺伝的要素です。環境ですが、子どもの時の環境は人格の形成に大きく影響しますが、自分でその環境を選ぶことはできません。しかし、思春期になると自我が目覚め、自分の人生を自分で決めたくなります。そして、成人し、自立すれば、どんな環境に自分を置くかを自分で決めることができるようになります。つまり、環境には与えられる環境と選ぶ環境があるわけです。

 アントレプレナーは、少なくとも自己決定方の生き方を目指す人です。社長になりたい、お金持ちになりたい、世の中を変えたい、動機はどうあれ、志を持った時から環境は変わります。資質と子どもの頃の環境には届きませんが、それ以後の環境、学習、訓練によって、アントレプレナーシップは育成できると確信しています。

 何もないところから価値を創造するとは、その環境を自分で構築することなのです。

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