介護ビジネスで起業・独立 Vol.14 高齢障がい者の支援事業制度

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
高齢者の介護事業 者が、障がい者の支援事業を手がけることが増えています。障がい者の支援事業の制度を解説します。

障がい者の制度の遷りかわり

 高齢者の介護は介護保険 に基づいて運用されています。

 同様に障がい者のサービスについても、いわゆる措置制度から利用者が受けたいサービスを選択し、契約に基づ いてサービスを享受するという制度が段階的に導入されてきました。

 措置制度は障がい者の福祉政策において市区町村など行政が提供するサー ビスの内容を決め、そのサービスを事業者に委託するという仕組みです。

 この措置という制度では

・ 利用者がサービスを選択することができない 。

・ 利用者と事業者間に契約関係がないため、利用者としての権利義務関係がわかりにくく、

・ サービスの内容に不満があっても事業者に、法的主張ができない。

・ 事業者は委託を受けてサービスを提供するため、利用者に応じたサービスと言うより画一的なサービスに
 偏りがちとなり、また、事業者も主体的なサービス提供することはできない。

と 言った点が指摘されてきました。

 そこで、2003年4月から、障がい者も他の市民と同じ生活を、住み慣れた地域社会のなかで、ともに送 ることをめざして、措置の対象とされていたサービスの一部で支援費制度がスタートしました。

 

● 支援費制度に移行したサービス

根拠法

身体障害者福祉法

知的障害者福祉法

児童福祉法

施設

サービス

更生施設

更生施設

 

療護施設

授 産施設

授産施設

通勤寮

 

国 立コロニー

居宅

サービス

ホームヘルプサービス

ホームヘルプサービス

ホームヘルプサービス

デ イサービス

デイサービス

デイサービス

ショー トステイ

ショートステイ

ショートステイ

 

グ ループホーム

 

 

● 支援費制度と介護保険

 

支 援費制度

介 護 保 険

財  源

租税方式

社会保険方式および租税方式

支給決定

支援の種類などの決定

要介護、要支援の認定

 →支給限度額が決まる

認定審査会

ない

ある

居宅介護支援

制度化されていない

制度化されている

利用者負担

応能負担

応益負担

利用制限

原則として、ない

状態区分により、ある

  支援費制度は自らサービスを選択することを尊重し、利用者に即したサービスを提供することを目的とした制度で、利用者は支援費の支給を申請のうえ、自分で 事業者・サービスを選ぶことができるようになりました。

 事業者も、上記のサービスでは事業者指定を受けることによってサービスを展開がで きるようになったわけです。とくに居宅サービスでは多くの事業者の参入が進みましたが、利用者、サービスの提供量が急増し、いくつかの問題点が指摘される ようになってきました。

 

・ 根拠法が身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法と分かれているためサービスも縦割りとなり、
 利用者の身体状況に対応できず利用がしにくい。

・ 地域、自治体間の格差があり住み慣れた地域でのサービスが行き届いていたとは言い難い。

・ 支援費の財源が税金となっており、サービスの急増に自治体の費用負担が大きくなってきた。

 

障害者自立支援法のスタート

 このため、この支援費制度の根拠法 を再編、改正しスタートしたのが2005年4月に施行された障害者自立支援法でした。
 ポイントは大きく4つあります。

・ 障がいを法律で区分することなく一元化し、サービスを再編したこと。

・ サービスの提供にあっては市町村が責任を持ち、必要なサービスを計画的に充実させること。

・ 費用負担については、応能負担だけでなく応益負担の考え方も取り入れるとともに就労支援の拡充、強化したこと。

・ 支給決定の仕組みをわかりすくすること。

  次回では再編されたそれぞれのサービスの内容と、介護事業者が手がけることのできる居宅介護(ホームヘルプ)について解説します。

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