介護ビジネスで起業・独立 Vol.23 適合高齢者専用賃貸住宅とは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
有料老人ホームの 定義に該当する施設であっても、適合高齢者専用賃貸住宅については有料老人ホームの対象から除外されています。

有料老人ホームの届け出が不要!

 有料老人ホームの定義に該当する施設であっても、以下のものについては有料老人ホームの対象から除外されてい ます。

・老人福祉法で規定する特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人 ホームなど老人福祉施設

・認知症高齢者グループホーム

・次のサービス提供を行う高齢者専用住宅のうち、一定以上の床面積等 を有するもの

1.食事の提供

2.介護の提供

3.洗濯、掃除等の家事

4.健康管理

 この有料老人ホームの対 象から除外された一定以上の床面積等を有する高齢者専用住宅が適合高齢者専用賃貸住宅(適合高専賃)です。

 今回の項では、この適合高齢者 専用賃貸住宅について解説します。

 

高齢者の住まいの確保を目的 にスタート

 高齢者に対する信用不安などから、高齢者が住まいを借りることができないケースが見られまし た。そのため、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づき、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅として、大家さんが都道府県知事または各都道府県の指定登録 機関に登録した賃貸住宅を、高齢者円滑入居賃貸住宅と言います。

 このうち、高齢者のみに賃貸するのが高齢者専用賃貸住宅で す。

 登録された情報は高齢者住宅財団のほか、各都道府県の指定登録機関のホームページなどで入居希望者などが見ることが可能です。

  指定登録機関に登録された賃貸住宅は、高齢者居住支援センター(財団法人高齢者住宅財団)による家賃債務保証制度や、 見守りや葬儀・家財の片付けのサービスを提供するあんしん入居制度(東京都の場合)も利用することができます。

 

高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)とは?

 高齢者向け優良賃貸 住宅とは、先述の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、市町村からの選定によって事業者が、高齢者向け優良賃貸住宅の建設および管理などに関す る「供給計画」を策定し、都道府県知事の認定を受け、バリアフリー仕様や緊急通報装置の設置などの基準を満たした住宅を賃貸する、高齢者のための住宅で す。

 市町村が国と都道府県の補助を受けて、建設費と家賃の一部補助を行います。

 

適合高齢者専用賃貸住宅とは?

 高齢者専用賃貸住宅のうち、下記の要件を満たす ものは、有料老人ホームの届け出が不要となります。

 また、特定施設入居者生活介護の指定を受けられる対象となります。この要件を満たした 賃貸住宅を適合高齢者専用賃貸住宅とよんでいます。

・各戸の床面積が25㎡以上

(居間、食堂、台所その他、高 齢者が共同して利用するために十分な面積を有する共用設備がある場合は18㎡以上)

・原則として各戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設 備および浴室がある

(共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備又は浴室を備えた場合は、各戸が水洗便所と洗面設備を備えていれ ば可)

・前払家賃を受領する場合は、保全措置を講じる 

・入浴、排泄もしくは食事の介護、食事の提供、洗濯、掃除等の家 事又は健康管理を実施

 

 適合高齢者専用賃貸住宅は、有料老人ホームの届け出が不要となるばかりか、有料老人ホームの指導指 針の対象外となります。

 特定施設入居者生活介護の指定を受けずとも利用者の選択によれば、外部の介護サービスを利用することで、入居者も 安心した生活を営むことができることから、有料老人ホームに変わって注目を集めています。

 介護度の高い入居者への対応や共用スペースの充 実などにより、有料老人ホームに遜色ない施設としていくことも可能でしょう。

関連リンク

国土交通省住宅局

 

財 団法人高齢者住宅財団登録機関一覧

東京都都市整備局「高齢者向け優良賃貸住宅の供給」

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