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若者は、情報を買いに行け
僕がケータイ業界で働いている間にもっと も大切にしていたことは、「自ら情報を買いに(取りに)行く」ということだった。この姿勢は今でも変わっていない。与えられる情報に頼ったらだめだ。すぐ に手の届く情報は、基礎知識として役に立つことはあっても決定力のある情報にはならない。たとえば流行っている着うたサイトがあるとして、その会員数など が新聞やIT系メディアで公表されていたとしても、それは起業のために決定力のある情報にはならない。
そのサイトのもたらしている利益 や流行ったキッカケなどが起業のための決定力ある情報だ。しかも、こういう決定力ある情報は、探せば見つかることもある。それ「そのもの」は見つからない かもしれないが、類推可能な情報ならネットに書き込まれていることもある。同じような業態の知り合いに聞く方法もある。この他にはもちろん、王道として 「本を買う」ということが挙げられる。ここでは、必ず自腹で本を買うことをお勧めしたい。自腹の決意が知識の質を押し上げる。くだらない本は、自分の財布 を傷めるだけなのだから。
若者は、経験を買え
その他、どうもIT系 やケータイ系の起業を目指す人たちは、経験を買うことの大切さを知らないことが多い。知識やバイタリティや気力や技術や人脈は大切、というよりは必須の要 素だが、「経験を買っていますか?」と聞かれてYESと答えられる人は少ないだろう。知識では決して補えないものは経験だといってもよい。経験の分野に属 する大切なものの例としては、不安や焦りや怒りなどのマイナスマインドの問題や、財務や人事などのお金や人に関わる問題だ。
別にカウン セラーを雇ったり経験者の言いなりになる必要はない。そのかわり、経験ある人のアドバイスを買うつもりで常に仕入れておくことだ。顧問という形もありえる し、心の師を持ってもいい。経営者の本をかたっぱしから読んでその経験を身につけるのもいい。とにかく、経営には経験の要素が必要だ。いくらいいアイディ アと情熱と技術があっても、経験が不足しているだけで失敗する例は後を絶たない。
大 局観を持ち、変化を追う
以上、大局観を持つための秘訣について述べてきたが、もちろん、高台に上って見渡すだけで事業が創造できるほど、現実 は甘くはない。大局観を持ったということは、視野の広さが保証されたということであり、どの分野をいつ攻めるべきかが見えるということであり、経営の原則 がわかるということだ。
では、具体的に事業を創造していくためにはどうするか。
これが、「大局観を持ち、変化を追 う」ということだ。大局観がマクロの視点だとすれば、変化を追うということは具体的なミクロの視点で動くということだ。次回からは、この変化を追うコツに ついてお教えしたい。