Vol.11 業界最前線のプレーヤーによる「モバイル起業」座談会レポート

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
8月最後の水曜 日、ドリームゲート・オフィスにて座談会が催されました。携帯電話番号ポータビリティ実施など注目されるモバイル業界での起業の可能性をテーマに、モバイ ルビジネスの先端に携わる方々8名が集まりました。 およそ1カ月後。9月最後の木曜日、とある「スター起業家」のもとを訪問し、「モバイル業界での起業」についてを伺いました。 このふたつのイベントのレポートを、パラレルに、シリーズでお伝えします。

「モバイルでの起業」をめぐる、ふたつのディスカッション

8 月30日19:30、四谷一丁目

こんな催し、とってもユニークで、ワクワクします。 定期的なイベントに発展していきます。
8月30日(水)にドリームゲートの本部オフィスで開催された「モバイル座談会」。
ドリームゲート にご縁のあるモバイル業界のプレイヤー/プレスが集合し「小資本でのモバイル起業」をテーマに語りました。
のべ約2時間、参加者のみなさんそれぞ れの貴重なお話を伺うことができました。

[モバイル座談会参加者(氏名順)]

株式会社ドワンゴ 事業開発部第二セクションゼネラルメディアプロデューサー 岡村裕之さん
株式会社LaLuz 代表取締役CEO 関根崇成さん
グリー株式会社 ディレクター 島田敏宏さん
株式会社インプレスR&D メディア局白書・書籍編集部編集長 錦戸陽子さん
株式会社アナザーブレイン 代表取締役 久田智之さん
・ファーストナビ「ビジネスを加速させるモバイル活用 」執筆者 藤森信義さん
株式会社Impress Wathch ケータイWathchチーフ 湯野康隆さん
・それに、私、トリムタブジャパン有限会社 代表取締役 中谷の計8名。
・座談会のモデレーターはドリームゲートの籾倉宏哉さん

参 加者のみなさん、ドリームゲートのスタッフの皆さんに改めて御礼申し上げます。

 

9 月28日(木)13:00 広尾一丁目

すでに彼、「天才」と呼ばれています。あるメ ディアに勤める方がそう言うのを耳にしました。
9月28日の午後、「モバイルでの起業」をテーマにしたインタビューのために、マンダリ・カレシー さんを訪ねました。
カレシーさんが社長をつとめる株式会社ナビブログは05年夏に日本で設立された、総メンバー5名の会社。
ケータイの GPS機能とブログ投稿の機能を組み合わせた「NAVIBLOG MOBILE」を開発する技術チームです。
その小さな企業が今夏、権威あるハイ テク業界誌「RED HRERRING」が主催する「RED HERRING ASIA 2006」の受賞100社に選ばれ、しかも「RED HERRING」誌の表紙に社名まで登場し(100の受賞企業のうち2社だけに与えられる栄冠だそうです)、さらには本誌にカレシー氏の写真入インタ ビュー記事まで掲載されるという大注目を浴びています。 

「た ぶん、RED HERRING ASIA 100では最若、最小の会社ですよ」

カレシーさんと私は8月の「Mobile Monday Tokyo」イベントでお会いしたのがご縁。
実はその場で 「モバイル座談会」にもお誘いしたのですが「香港出張の予定と重なっているので行けないですね」
と(流暢な日本語で)残念がっていたのです。その 出張こそ、「RED HERRING ASIA」の受賞イベントだったのでした。
楽しいお話に、ついつい時間を忘れて調子に乗ってしまい、インタ ビューはたっぷり2時間に及んでしまいました。

 

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モバイル起業の理想と 現実?

ケータイマーケティングのコンサルタントとして、いま時点の「モバイル分野での起業」はワクワクすることばかり です。
ケータイサイトを構築したいという企業は昨年あたりから目だって増え始めていますし、キャリア公式検索サービスのスタート、ブロードバンド 通信のサービス開始……と、吹いてくるのは追い風ばかり。
さらに世界に目を向ければ、07年の端末出荷台数は10億台を超えると言われる超伸長産 業です。
ひとつの発明、ひとつの技術、ひとつのソフト、ひとつのサービス、ひとつのビジネスモデルが爆発的に、世界に拡がる可能性がある。こんな にも挑戦のし甲斐のある市場はそうそう滅多に出てくるものじゃない、と心から思うのです。

実際、モバイル座談会の場でも、市場の拡大を感じ させる話題が出てきました。
また、参加者のみなさんのビジネスが順調に運んでいるらしいことがわかりました。
しかし、

「小 資本で、ケータイの技術に詳しいわけではない。
 そんな起業家が、これからケータイで起業するという前提では、
 どういうビジネスが狙い 目になるんでしょうか?」

(ドリームゲート籾倉さん)

そんなふうに振られると、ちょっと頭をかかえてしまうので す。
たとえば、PCインターネットの世界なら「ネットモールに出店しましょう。5年で1億目指しましょう」とか、昔のケータイの世界なら「公式着 メロサイトを作りましょう!」とか、一定の勝ちビジネスのカタチがありましたよね。
ところが、「これからのモバイル起業」を語ると、

「そ のプラン、いいですね。でも小資本では難しそうです。」
(ドリームゲート籾倉さん)

「広 告モデルで成功してるサイトもあります。でも多くは、広告が集まらず、結局アフィリサイトになっているものが多いです。」
(ド ワンゴ岡村さん)

「そもそも今のタイミングで投資していいのでしょうか? フルブラウザの普 及を待った方がよいですか?」
(アナザーブレイン久田さん)

…と、慎重な意見も飛び交いまし た。

ビジネスのチャンスは、もちろん、ないわけがない。むしろ、たっぷりある。
しかし、そこでスタートするために必要な条 件とか、知っておくべきこと、気をつけなくてはならないこともたっぷりある。
結局、この大きなチャンスの恩恵にあずかる人は限定されてしまいます よね。仕方ないですね。

……そんなニュアンス、おわかりいただけるでしょうか?

モバイルは、「挑戦のし甲 斐のある市場」のではなかったか?
あるいは、これが現実なのでしょうか??

(ドリームゲートを通じて)起業を志しつつ、こんな 「壁」があるのを感じている方も少なくないでしょう。
「起業、いいよ!」、「ケータイの仕事、楽しいよ!」
と言ってる場合なのかと、自分 自身、心配な気持ちになってしまいました。

…ところが、その後に伺った、カレシーさんのインタビューを通じて「はっ」と気づかされ ました。
約1ヶ月の時間をおいて、座談会から投げ出されたボールを、期せずしてキャッチすることができたのです。
日本のモバイル市場に光 明がさす。とてもポジティブな答えが見つかりました。
(やっぱり、カレシーさん、ただ者ではありません)

そこで、本来は別 個にレポートするはずだったふたつのディスカッションを並べて構成しようと考えました。
8月30日の座談会と9月28日のインタビューを、平行し てお伝えしたいと思います。

ちょっと長くなりますが、お付き合いください。

次回につづく

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