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モバイル起業の「狙い目」
8 月30日20:00 四谷一丁目 ドリームゲート本部
モバイルの 業界プレイヤーたちが顔を揃えた「モバイル座談会」では、
「モバイル関連の起業として、どんなビジネスがもっとも有望か?」
と いう観点でディスカッションが進められました。論議の前提として、以下のような条件がつけられました。
●モバイルに関連しているビジネスであること
(ただしモバイルのECモールへの参加などの周辺ビジネスも含むものとする)
●小資本でスタートできる新規ビジネスであること
●できれば、特別な技術を持たない人でも始められること
「そ んなに有望なビジネスがあるのなら参加者自身が始めているのでは?」と思うでしょう?
そのとおり、アイディアとして挙げられたビジネスには、参加者 が実際にいま取り組んでいるものや、見聞きして内情を知っているというものも多くありました。
■ モバイル起業で期待できるビジネス①
大きな企業の受託開発のビジネス ※要技術-「コンシューマー相手は、当たれば大きいのだがベンチャーにはリスクが大きい。
受託開発のビジネスがよいのではないか?」
(Impress Watch 湯野さん)-「大手企業にパトロンになってもらうのはリスクがない」
(複数)-「ケータイ向けのソリューションシステムを作ってくれ、という人が増えた」
「ゲーム会社のなかには、大手開発会社にソフト部分を提供しているという会社も」
(アナザーブレイン 久田さん)
■ モバイル起業で期待できるビジネス②
B to B to Cのビジネス ※要技術-「企業がもっと安く ケータイサイトを作ることのできるしくみがあるといい」
(Impress R&D 錦戸さん)-「ケータイサイト構 築のASPサービスは盛り上がりを見せている」
(ドワンゴ 岡村さん)-「キャンペーン広告向けのケータイシステム開発の仕 事はよく来る。広告の仕事がなくなることはない」
(LaLuz 関根さん)
■ モバイル起業で期待できるビジネス②
ターゲットとサービスを絞ったWebサービス-「高校生の女のコ向 けのホームページ作成サービスサイトでは月間12億PVという例も。
ここにはナショナルクライアントも広告を出している」
「主婦、30代女性に特化したケータイ通販サービスは"刺さる"」
「パチンコ、競馬、釣りなど、片手の空いてる娯楽に関係するサービスは驚くほどの高利用数」
(ドワンゴ 岡村さん)-「企業 内のセキュリティが強化されたため、会社で自由にPCを見られないという人が増えている。
ケータイを利用しなくてはならない人が増えているということ」
(Impress Wach 湯野さん)-「ケータイでの動画 サービスとSNSは相性がいい。
(動画撮影と投稿が一つのデバイスでできることに加えて)
SNSは匿名での投稿ができないことが コンテンツフィルタの役割を果たすと考えられる」
(グリー 島田さん)
さまざまな立場の方 々からのコメントによって、モバイルのビジネスの現状がしだいに像を結んでゆきます。
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世界が注目する、日本で起業した英国人 起業家
9月28日 13:00 広尾一丁目 NAVIBLOG社訪問
NAVIBLOG(ナビブログ)社のオフィスは、恵比寿駅近くの住宅街にある戸建ての家屋。
インターホンで受け答えをしてくれたのは、日本人ス タッフの方だと思っていたら、なんと、社長カレシーさんご本人でした(失礼しました)。
彼の日本語は驚くほど流暢です。
8年前 にイギリスから日本へ。
ソフト技術者として日本各地で仕事をしながら、04年に現取締役のハリスさんとモバイルのビジネスアイディアを考案し、
株 式会社NAVIBLOGを起業したのが昨年、05年7月。
そして今年8月には、かのハイテク業界紙「RED HERRING」が主催する「RED HERRING ASIA 100」に選ばれました。
しかも、その表紙に社名が登場し(100社中2社のみ)、さらには社長インタビュー記事が 掲載されるという快挙を成し遂げています!
香港で行われた受賞イベントでは、プレゼンテーション会場が満員になったことが他の参加者のブログでも 話題に。
今や「日本のスター起業家」としてさまざまな企業・メディアから引き合いを受けているそうです。
でもお話を伺うと、その 起業ストーリーは意外なほど「堅実」。
きっと勇気づけられる起業家は多いのではないかと思います。
(少なくとも、わたしはそうでした)
「このオフィスは、もともと住んでいた住居を改造したんです。
あ、あの社長席、もともとは押入れですね」
「昨年の7月 に渋谷区の創業支援制度を活用して起業しました。
" 支援 "っていいますが、借り入れです(笑)。
大変だったけれど、創業 の結果としてはよかった!」
「たぶん、『RED HERRING ASIA 100』では最若、最小の会社です。
自分たちでもここまで評価されて大丈夫なのか、と(笑)」
–
─ 『RED HERRING』の受賞理由はフィードバックされるんですか?
「いえ、正式にはもらっていません。
しかしケータイASPサービス" NAVIBLOG "のビジネスモデルが高く評価されたようです。」
NAVIBLOG
・ケータイ全キャリア対応の、地図を利用したWebサービス
・PCとの連動可能
・GPS/基地局を通じて自分のいる場所を地図表示
・地図上の空間にブログ(コメント・画像・動画)を置くことができる
・カンタンなSNS機能を提供
・ASPとして企業にサービス提供
「(" NAVIBLOG "のサービスは)ケータイを通して人と街と時間がつながるB2Cサービスのプラットフォームです。
ASPに なっているので、飲食や自動車、旅行会社……いろんな企業のキャンペーンやサービスに利用してもらえます。
また、目的に応じてサービスをカ スタマイズすることができるのも特徴です。
企業は、ブランドバリューに密着した刺激的な体験を、利用者に提供できるのです」
─ なぜ日本で"NAVIBLOG"のサービスを作ろうと思ったのでしょう?
「 日本で起業するのはこれが2回目です。最初はソフト技術者として受託開発の仕事をしていました。
一生懸命働きましたが、トータルではプラス マイナスゼロ。『なにやってんだろ?』と。
それで、なにかやり方はないのか、とハリスと相談するなかで出てきたのが
『これだけ情報があるのに、近くのことがわからない。何で?』
という疑問。
たとえば、この近くにどんなお店があるのか わかりません。
歩いている人に聞けばわかるかもしれないのに!
そこでケータイのサービスを使ってみました。
キーワード検索も、ディレクトリ検索も、スタートしていたGPSを利用したサービスも…。
でも、どれもすごく遅くて、とても利用できる ものじゃなかった。
" NAVIBLOG "を開発してやろう、と思ったのはそれが直接のキッカケです。
自分が 『何で?』と思うことをする、
起業家には大事な感覚だと思います」
─そこからナビの地図に利用者がブログを 書き込むという設計に?
「実はハリスとこの5年、
『人と人とが会話をしていない』
という問題意識を持っていました。
以前、ロンドンのアーカイブの映像を…1900年頃のかな?…観ていて驚いたんですが 、
昔のロンドンの路上では、みんなが挨拶したり、会話したりしているんです。
『こんにちは』って帽子を取って挨拶して、
ちょっと歩くとまた『こんにちは。いやいや、どうも、どうも』と立ち止まる。
道の上が、まるでサロンのようだったんですね。
ほんの100年、150年前はそういうことが当たり前だったのです。
『なぜ、隣のひとと会話しないんだろう?』
『なぜ、コミュニティがこんなに希薄になったんだろう?』
私は仕事で宮崎県にいたこともあるのですが、そこの人たちも同じことを言ってました。
フォーマルな社会が理由なのかな?
同じ興味を持つひと同士が、アドホックに集まる機会がなくなってしまったんですね。
変化スピードが速くなるなかで、人と人との関わりが限定されているのです。
人と人とがコミュニケーションをとるとき、マッチングのシステムとしていま機能しているのは
社会、口頭、パソコン…です。
これに「NAVIBLOG」を加えたい。
実は、同様のアイディアをベースに、新しいサービスも開発を始めています
(※注:イ ンタビューの後に発表されたサービス「NaviSpace」 のことを指していたのでしょう)」
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カレシーさんのモバイル起業に は、<人と人とをつなげたい>という想いが先にあったのです。