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ほんとうに大丈夫か? モバイル起業の可能性
8 月30日20:50 四谷一丁目 ドリームゲート本部 モバイル座談会
ディ スカッションが進むにつれ、会話・コメントのなかに一定のパターンが見られるようになってきました。
たとえば、こんなコメントです。
「ケータイサイト構築ASPビジネスはかなり盛り上がってます。
しかし、かなり過当競争化してます。
ぼくだったら、そこに参入したいとは思いませんね」
(ドワンゴ 岡村さん)
コ メントのパターン= "たしかにモバイルのこのビジネスはおもしろいし、伸びる可能性はある。しかし…"
ど んなビジネスにもプラス面・マイナス面があり、モバイルの業界も例外ではありません。
大きな機会があれば、必要条件や落とし穴もあります。当たり 前のことですよね。
でもそこに引っ掛かりを感じてしまいまうのです。
自分の期待や思い入れが大きすぎるからでしょうか。
司 会・進行役の籾倉さん(ドリームゲート)も同じ感覚を持っていたようです。
「えっ、そうなんですか? それじゃ、なんか他 にアツいのはないんですか?」
矢継ぎにさまざまなビジネスのアイデアを挙げて、それぞれの可能性について意見を求めま す。
「モバイルサイトは増えてますよね?」
「モバイルの広告ビジネスは?」
「モバイルECはどうです か?」
「ワンセグは?」
「モバイルショッピングモールの店長として独立したら?」
「若い女性以外をターゲットにしたら?」
… 籾倉さんから投げられた「具体的なモバイルビジネス」話題の数は、のべ約30にも上りました。
ところが、先に挙げたような「たしかに…しかし…」 のパターンを辿ってしまい、「これですね!」と言い切ることができません。
たとえば、こんな具合です。
「モバイルサイトは増えてますよね?」
-「全体的に見てモバイルサイトの数は、確実に増えています」
(Inpress Watch 湯野さん)
-「しかし、近々ケータイにフルブラウザが実装されると報道されてます。
いまケータイ専用サイトづくりに投資していいのか?という疑問が消えません」
(複数)
「モバイルの広告ビジネスは?」
-「広告の(受託開発の)仕事はなくならないですよ」
(LaLuz 関根さん)
-「受託開発のお仕事というのは、でも、やっぱり永続性がないですよね」
(アナザーブレイン 久田さん)
-「勝手サイトへの広告の出稿が、ナショナルクライアントにも拡がってきています。
月間10億PVを超えるメガサイトがあちこちで現れていることも要因です。
しかしその一方で広告収入をあてにしてサービスをはじめたけれど、
思うように収入が増えず、結局、アフィリエイトネットワークの一つになっているというケースも多い」
(ドワンゴ 岡村さん)
「モバイルECはどうですか?」
-「すでに盛り上がりを見せています。市場規模も今年さらに広がっているという報道もありました」
(筆者)
-「たしかにものすごく伸びているが、
実はその市場規模の数字にはオークションや馬券購入の数字などがかなり含まれています。
また、ケータイのキーワード検索サービスはまだ利用しにくく、
(PCのように商品名で検索できるようにならないと)最初のアクセス顧客を作るのが難しい。
顧客リストないのにケータイサイト立ち上げてどうするの? ということになるんです」
(インプレスR&D 錦戸さん)
「ワンセグは?」
-「基本的にTV局が利権を持つビジネスです。起業家がチャレンジするのは難しい。
チャンスがあるとしたら、地方局のワンセグサービスでしょうか」
(Inpress Watch 湯野さん)
「モバイルショッピングモールの店長として独立したら?」
-「検索エンジンが有効に機能していない現在、ネットショップが得意とする
"ロングテール"的な購買行動が生じないので、モバイル専門のEC店長は集客に苦労します」
(筆者)
-「10月以降、ケータイでの検索サービスが普及すれば状況は変わってくるはず」
(Inpress R&D 錦戸さん)
「若い女性以外をターゲットにしたら?」
-「30代女性や主婦に、ケータイのサービスは非常にマッチする。
しかしQRコードの読み取りひとつとっても、使い方がよくわからないという利用者がいるのも確か」
(ドワンゴ 岡村さん)
-「通販カタログ会社がMVNOを利用して自社端末を配布して囲い込むという戦略もありえる。
しかし小資本でできるビジネスではない」
(Inpress Watch 湯野さん)
事例や体験をベースに、さまざまな意見を伺えたのは、とても有意義で、勉強になります(そう思いませんか?)。
そして、よくも悪くも、これが現在 のケータイ業界・ケータイ起業をめぐるリアルな状況なのだと実感しました。
しかし、自分自身がモバイルの分野で起業し、しかもモバイル業界 全体が活性化するようなビジネスを仕掛けたいと宣言、
さらにはドリームゲートサイトで「ケータイビジネスの可能性」まで執筆までしている立場で す。
『本当にこれが結論でいいの?』
という気持ちになってきました。
モバイルの分野には大きな ビジネスチャンスがある。
しかし、チャンスを手に入れるためには前提条件、ハードルもたくさんある。
──そんな当たり 前のことをを報告したり、解説するのが自分の役割なのかと悶々としてきました。
たしかに業界知識としては役立つかもしれない。
でもそれを 読んで、「よし、起業しよう!」と思う人はいるだろうか、と。
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ケータイにくわしくないから、ケータイで成功した
9 月28日 13:50 広尾一丁目 NAVIBLOG社 インタビュー
カ レシーさんのインタビューは、トークにのせられて、時々本筋から脱線してしまいます。
─ 希薄になった人と人とのコミュニケーションの橋渡しですか。
ナビブログのスタートには、そんな思いが込められていたんですね。
そういえば、先日「モバイル座談会」というディスカッ ションが開催されて、
モバイル業界のプレイヤーたちが集まったのですが、参加者それぞれの起業にかける「思い」を伺うのを忘れていました。
「そ んな集まりが? 面白いですね。どんな話になりました?」
─ ドリームゲートが主催した業界ディスカッションのイベントなんです。
MNPによって注目を浴びるモバイルの業界で、次はどんなビジネスが有望かというのがテーマでした。
しかし、「このビジネスは狙い目だ!」と言い切れなかった。
大きなチャンスがある、しかし乗り越えなくちゃならないこともたくさんある、ということを確認したというカンジです。
「ええ! なぜですか? (笑)
ああ、でも、事情に詳しい人たちが集ると、そうなるのかもしれないですね」
─ わたし自身、とても引っかかっているんです。
カレシーさんが「そうなるかもしれない」とおっしゃる理由を教えてください。
「逆に、わたしたちの場合は、ケータイにくわしくないからケータイで成功した、と言えるんです」
─ ケータイにくわしくないから成功した …ですか?
続く