mobile2.0の可能性
9 月28日 14:30 広尾一丁目 NAVIBLOG社 インタビュー
筆 者
─ ところでNAVIBLOG社は「Web2.0企業」ですよね? あるいは「mobile2.0企業」でしょう か?
そう呼ばれるのを好まない方がいるのも知ってて聞いてますが(笑)。
カレシーさん
「『mobile2.0』という書籍で紹介していただいてますから、ぜんぜん大丈夫ですよ(笑)」
─ よかったです (笑)。
Web2.0時代のモバイルのサービスが「mobile2.0」なのか、
この秋のケータイ業界をめぐる大きな変化の前後 のバージョンアップが「mobile2.0」なのか、
そもそもの定義が曖昧ですが、
カレシーさんは「mobile2.0」と はどんなものとしてとらえていらっしゃいますか?
「一つには親しみやすさ、分かりやすさの追求です。
ケータイは、利用者に「どう使うかを考えさせない」のが大切。
わたしたちはそこで、ゲームの利便性やインターフェイスに注目しています。
ケータイゲームのような没頭体験を提供させることができるプラットフォームです。
もう一つはAI(人工知能)によるパーソナラ イゼーション。
たとえば、ユーザーの利用体験をもとにリコメンドするようなサービスはまだまだモバイルでは普及していません。
プッシュでもプルでもないAmazonのリコメンド機能はWebサービスの操作の仕方を変えました。
ケータイは、さらに、検索結果を持ち歩け るわけですから。
AIを使って宇宙工学をするわけではなく、身近なことを利用しやすくするということ(笑)」
─ 賛成です。
ケータイのサービスは技術の先進性も大事ですが、まず大前提として利用されないと意味がない。
『一度使ってみたけれ ど、なんだかちょっと…』と敬遠されるものは、web2.0やmobile2.0云々以前に
サービスとして成立していない と思うんです。
『サイトの使い方』を読まなくちゃ使えないサイトとか、何度読んでもよくわからないサイトとか…(笑)
いくらすば らしい技術で作られていても、利用者にとっては、『単なる使えないサービス』になってしまうんです。
ケータイ端末やインフラの進化がキッカケ となって、
親しみやすくて、わかりやすくて、しかも身近なことを便利にしてくれるサービスがどんどん登場すれば
モバイルは、 PC-Webの縮小版・ポケット版的なポジションから、
パーソナライズWebサービス利用の表玄関的な存在になってゆく可能性は大きいですよ ね。
そんな新しいモバイル業界、mobile2.0の世界で、起業のチャンスはあると思いますか?
「もちろんです(笑)。
しかし『起業』という点で言えば、なにもWeb2.0やmobile2.0にこだわる必要はないんです。
自分が『どうして?』と思うことを、つきつめるのが大事。
極端な例になりますが、
『もっとうどんの値段は安く提供できるはず』
と気づいたのなら、ふつうの1/10のコストで作るうどん屋さんを開業するのでもいい。
起業とはそういうものだと思います。
ただ、わたしたちの場合、その思いがモバイルとつながっただけなのです。
同じようにモバイルで起業しようと考える人たちは少なくないでしょ う。
たしかに大きなチャンスがあります。
でも日本はモバイル先進国だと言われてるわりに、意外と情報収集がしにくかったり (笑)、
業界内でのヨコの交流が希薄だったりするんです。
同じ思いを持った起業家たちとコミュニティを作って、ケータイ業界を盛 り上げてゆきたいですね」
─ すばらしいですね! ぜひ、そんな場を作りましょう。
本 日は長い時間、ほんとうにありがとうございました。
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8 月30日21:30 四谷一丁目 ドリームゲート本部裏
座談会 の後、参加者一同でドリームゲート本部近くのメキシコ料理屋さんに飲みに出かけました。
「引っかかっていた」割には、よく喋り、よく飲んでしまい ました。
あらためて、こんな機会をくれたドリームゲートのスタッフの皆さんに感謝! です。
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レ ポートの終わりに
モバイルWebの業界、まだまだ歴史の浅い産 業です。
そして、企業が事業として参入しやすいとは言いにくい、さまざまな制約やクセのようなものがありました。
しかし、「モバイル座談 会」のコメントで出てきたように、この秋、その環境が大きく変わり、
PCのWebと同じようなマーケティングが実現可能となり、ビジネス活用のト ビラが大きく開かれたのです。
この可能性と、起業家の「なぜ? どうして?」のこだわりとが重なるなら、
その情熱を持って 「Let's Wrok Around」の戦略と共に、ビジネスをスタートさせましょう!
「モバイル座談会」とカレシーさんのインタ ビューとの二つのイベントを通じて
わたし自身はとても大切なことを教わった気分になれたのですが、
レポートをご覧になったみなさんはどの ように感じられたでしょう?
この視座を持って、もう一度「モバイル座談会」を開催したらどんな話が聞けるだろう?
モ バイル業界を横断した起業家コミュニティを作っていけたら、どんなことができるだろう?
想像するだけで、ワクワクします。
シ リーズレポートにお付き合いいただき、ありがとうございました!