ここでは、都内23区の私鉄沿線駅より徒歩5分以内の20坪の物件を想定してお話します。自営店の店造り費用としてお話を進めていきますが、開業するた めのハードの部分を「開業費用」とし、ソフトの部分を「開発費用」という項目に分けてお話しましょう。
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開業費用
まず始めに物件を探しますが、良い物件がなかなか見つかりません。ご自分で物件調査リストを 作り、ここだけは引かない部分、ここだけはゆずらない部分などをあらかじめ決めておき、優先順位を付けて、探すことが重要です。
工事期間の賃料・前家 賃 賃料の2~3カ月分
合計10か月分は用意してください。
スケルトン 新築物件又は内装・設備が何もない元の状態
造作譲渡 以前の経営者が内装・設備・備品など一切譲り渡す物件
賃料・管理費込みで20万円の場合 200万円
◆店舗施設費 内装工事 内装工事にはスミ出しから始まり、基本工事、床・壁工事
外装、看板・サイン工事、椅子・テーブル、家具工事など
坪当たり30万円~上限なし 600万円
設備工事 電気・ガス・水道の基本工事から、配管・配線工事および
給排気、ダクト、空調工事などでエアコンが高い
坪当たりではなく基本工事+α 200万円
◆厨房機器費 機器設定 メニュー内容や業態により大きく変わりますが、最低限
必要なものに真空調理器を加えたもので 250万円
什器備品 調理道具・食器・グラス・ナイフフォークなどの備品類
およびテーブルウェアや什器類などで 50万円
◆販売促進費 印刷物 オープンチラシ、案内状、メニュー、伝票、スタンプカード
ホームページ製作費、ショップカードなどで 50万円
オープニング費 、オープニングの景品、近隣挨拶土産など
値引き・割引サービスも含めて 0万円
◆雑費 消耗品・雑費 開業時の店舗内清掃用具・器具、事務関係の文具類、
トイレットペーパー、雑巾などで 20万円
◆運転資金 開業後の資金繰り費用として売上計画の約2カ月分 500万円
開業費合計 1900万円
開発費用
◆企画開発費 企画開発 開業コンサルタントへの外注提 案指導などを受けた場合に
かかる費用として内装・設備費用の5%とか坪 当たり3万
などと言われますが、今回はオリジナル開発で 0円
◆設計施工管理費 店舗設計・デザインを設計士やデザイナーにお願いする場
合いにかかる費用として、内装・設備費の10%とか坪当
たり5万円の出費となりますが、安心が買えます。しかし、
信頼の置ける内装工事業者と綿密な打合せにより、この分
はほとんどかかりませんが、その分勉強しないと怖いです。
そんな訳で、デザインコンセプトを完成させて 0円
◆調査研究費 現地調査・店舗調査など物件の市場調査や、人口統計調査
などを行うプロの専門調査会社がありますが、今回はご自身
で実施調 査を行い十分に時間をかけて徹底的に行うことで、
心配だけど 0円
◆開発人件費 新規の採用又は自己資源である従業員の早期採用による人件
費が発 生しますが、工事期間中のメニュー開発や器具・備品
の買出しには重要な 存在になりますので、1ヵ月分の給料が
30万円
◆旅費交通費 開業準備中の交通費すべてですが、もしあなたが専門店をお
考えなら開業の前に行ってくるべきでしょう。そうです、
海外視察で す。ニューヨークデリ・カフェの調査、イタリア
でバールを見学、フラン スで本場のビストロでの食事など
絶対に行くべきでしょう。開業したら、 そんな余裕はありま
せんから。そんなことで、全部ひっくるめて 70万円
開発費用合計 100万円
店造り費用合計
開業費用 合計1900万円+開発費用合計100万円で締めて2000万円となりました。店造り費用の算出はとても楽しいですね。あれもこれもで、なんと2000万 円になってしまいました。これは大変です。何とかしましょう。
実はこれからが本番なんです。まず、始めにこの費用の中から抑えることが できるものと、できないものに分けることです。お店作りは「お店の魅力」を作る、とても大切な段階です。
お店作りの始めは、物件の決定 から始まりますので、物件の取得費は交渉しだいで何カ月分位は負けてくれるか延期してくれるかもしれません。次に、大きな金額のところで、内装・設備工事 ですが、設備工事はほとんど動かせないでしょう。そうなると、内装工事と厨房機器設定ですか。
内装工事と厨房設備で80万円、販売促進 費で20万円を落とすことにしましょう。すると、合計で100万円のマイナスとなり、総合計で1900万円となりました。これは、あくまでもシュミレー ションですので、実際にはそれぞれの資金計画に応じたお店作りをしてください。