飲食店開業:メニューオペレーションによる仕入計画

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
料理や飲物の原価 を下げるためには、上手な仕入れをすることが第一です。調理材料のロスや無駄を無くすことと、食材の品質管理や在庫管理により利益が生まれるという事で す。

仕入先の検討

 開業にあたり、どこから原材料(食材・飲物)や 消耗品・備品を仕入・購入するかはとても重要なことです。飲食材業者から、インターネットから、雑誌媒体など仕入先はさまざまですが、店舗の規模や売上計画に 合った仕入先を決めることになります。

 地元のスーパーや八百屋さん、肉屋さんなどから直接購入する方法もあります。その場合は当然現金仕 入となりますが、月間の仕入高によっては専門業者からの仕入れにより、買掛けにすることで資金の調達が楽になります。

 商品計画から業者選 定を考えますが、生鮮3品の他に粉や乾物・香辛料などは総合食材業者に、飲料関係は酒類業者に、乳製品は乳業メーカーなどそれぞれの専門業者を選択するこ とになります。

 

食材の「ロス」とは

 食 材料のロスは原価である。上手な仕入れをしても、不良在庫(デッドストック)やオーダーミスなどにより、材料原価率を上げることになります。 

1) 食材料の仕入ロス・・・・・・量目不足、不良品

2) 調理ロス・・・・・・・・・・練習用ロス、調理の失敗

3)在庫ロ ス・・・・・・・・・・食材の目減り、腐敗、盗難、キズ

 また、仕入食材は全部使えるわけではなく、肉・魚・野菜などの生鮮3品について は、可食部分と不可食部分があります。肉の脂身や筋、魚のあらや骨・皮、野菜の芯や皮など仕入価格に入っているものは原価となり、捨ててしまうとこれも 「ロス」になります。

 

在庫管理をしっかりと

 適正在庫量を設定 する。「モノ即カネ」の意識から食材・食品の管理は、ムダやロスを無くすことが第一であり、特に生鮮3品は余剰在庫や廃棄ロスを発生させるため、適正仕 入、適正在庫を心がけることが大切です。また、商品一皿の量から食材の使用量を算出し、1食材に対しての発注量および発注サイクルが決められるとよいでしょ う。

 標準在庫量とは? 品切れのためにお客様の注文や商品の製造が出来ない状況の在庫量から、過剰在庫やロスを出さない在庫量を守る範囲 が標準在庫量で、製造販売計画に伴う食材・食品の必要限度量を在庫させておくことが必要です。

 

原価管理

 原価管理とは?商品の売価に対しての原価設定が適切なのか、儲けはいくらになるのか、 そしてすべての商品の総体原価がいくらになっているのかなどを理解していることです。

 仕入れた食材や商品に付加価値(調理・接客)をつけて 提供していくために、食材原価(Food Cost)や人的コスト(Labor Cost)が、その場では見えないことになります。この、Food&Fabor Cost=FL Cost(FLコスト)は、飲食業における最重要ポイントであり、このコストコントロールにより、お店の利益が出るか、出ないかの見極めとなります。

  ダイニング&カフェの業態では、60%前後のFLコストが基準となるでしょう。

 

棚 卸はなぜやるのか

 飲食店の経営は、生ものや水物が多く、それらは不良在庫になると廃棄処分となりコストに影響します。また、食材や食品 の在庫を多く抱えることでスペースを占領し、最終的に経営数字の圧迫に繋がります。以上のことから、棚卸の目的は、食材や食品の管理を徹底することと、毎 月の損益計算および売上原価計算を確実に行うこととなります。

 棚卸は毎月末に実施し、棚卸表に全品目の商品名・仕入単価・在庫数量・金額を 洗い出し、食材と飲料の在庫高を別々に計算し、前月の在庫高に、当月の仕入高を加え、月末の在庫高を差し引いたものが当月の使用高となります。

 

原価率の設定

 料飲の原価を見る際に、料理(Food Cost)、飲料(Beverage Cost)に分けますが、両方でF&Bコストと表現します。このF&Bコスト=料飲売上原価ですが、業種・業態より異なりますので一概に 言えませんが、20%~40%の間で抑えているようです。

 材料原価を下げることで、一時的に収益性は上がりますが長期的に見ていくと、商 品の内容が陳腐化し、お客様に飽きられてしまう事になりかねません。また、その反対に材料原価を上げることで、お客様には喜ばれますが利益幅を圧迫し、継 続は難しくなります。

 顧客満足度の面からは安くて、おいしければ良いかもしれませんが、お店の収益面から見ると適正な原価率を設定するこ とが賢明でしょう。食材仕入の選定における、品質の確保、調理提供における味やボリューム感など適正原価率は商品コンセプトの基本です。  

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