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イメージブックを作る
デザイナーや内装業者との初めの打合せでは、自分の店舗イメージを出来るだけ詳細に伝えることが、もっとも重要です。このイメージは言葉ではなく、店舗コンセ プトの言語化とビジュアル化が必要です。これは、店舗イメージの雑誌の切抜きや、デジカメからのプリントアウトなどをスクラップブックに張ったものをデザ イナーに見せながら、自分のイメージを伝えていくことです。言葉だけでは自分のイメージは伝わりません。明確なコンセプト表現とイメージのビジュアル化に よって、相手に自分の考えを伝えることが出来るのです。
基本デザインコン セプト
基本的なデザインとしては○○風というものがあります。
・ヨーロッパのカジュアルでウッ ディな北欧風
・太陽溢れるヴァカンス感覚の南フランス風
・東南アジアから中央アジアのエスニック風
・ モダンでシャープなニューヨークモダン風
・ 和風建築の数寄屋造りを取り入れた京都風
など、さまざまなスタイルがありますが徹 底的にこだわるのか、それとも取り入れるのかによって予算が大きく変わってきますが、店舗の魅力として必要可否かを決めていきます。
店舗に必要な機能
飲食店舗としてどんなに小さくても必要なものがあります。お客様へのサービス動線や製造過程、食品の衛生管理からの作業動線などです。これらは保健所から の許可申請の必要性からも確認しておくことが必要でしょう。
・入り口(ファサード部分)・・・・・視認性の高さ
・ 店内(客席ホール)・・・・・・・・サービス動線
・ パントリー(ドリンクコーナー)・・作業効率を重視
・デッシュアップ (料理提供台)・・・調理オペレーション
・厨房(キッチン)・・・・・・・厨房設備は作業効率やランニングコストを考える
・ バックヤード(ゴミ捨て場)・・防虫防鼠対策のためのドアを付ける
・ 更衣室・・・・・・・・・・・従業員用
・ トイレ(客用・従業員用)・・・トイレはお店の鏡
物件の決定段階で
物件を決定する前に考えなくてはならないこと
・ 道路から店舗への導入線について視認性はどうか入りやすさはどうか?
・物件 の向きはどうか、西日が当たるのか朝日が当たるのか
・公共のガス・水道・電気の配管位置、配電盤の位置
これらを、十分に予見 し店舗設計において無駄のない、効率的な店舗設計計画を立てる。
平面の基本レイアウト
計画の段階では、1/50の寸法で方眼用紙に店舗の平面を描 き、入り口部分と厨房部分および裏口部分を決める。厨房は全体の20~30%くらいを割り当て、厨房とトイレは水周りの良い部分を決めていく。
テーブルや椅子、什器・備品・厨房機器は必要とするものをすべて厚手の画用紙に1/50の寸法にて切り取り、その一つ一つに名称を書き込む。この部品を自分 で考えながら平面上で動かしながらレイアウトを考える。これが計画の段階では一番楽しい作業かもしれません。
客席は、食 事をするのに窮屈しない空間を保っているか、テーブルの配置はどのように置いたらより多くお客様が入るかなどを考えます。また、厨房は機器の配置により冷 蔵庫のドアが開かなかったり、調理の人間が屈めなかったりするようでは作業効率の良い厨房動線にはなりませんのでご注意ください。
この段 階での平面のレイアウトは、あくまでたたき台です。何回やり直しても良いので、徹底的に検討して、完成後に悔いの残らない平面設計をしていきましょう。た だし、プロのアドバイスや保険所への事前相談は必要です。
厨房のレイアウ ト
厨房のレイアウトは働きやすさが基本であり、実際に厨房で働く人が厨房設計に関わることをお奨めします。その人の 聞き手の問題や、背の高さや体系により使い勝手が変わってきます。作業台や流しの高さや大きさ、ガスレンジの横に棚が必要か、流しのどちら側に作業台を置 くのかなど、働く人が働きやすいのが一番良い厨房計画となるでしょう。
新 調理システム
これからは個人店においても、新調理システムの三種の神器と言われるスチームコンベクションオーブン、 ブラストチラー(瞬間冷却機)、真空包装調理機を用意されることをお勧めします。事業規模によっても異なりますが、将来性と収益性を考えると検討の価値は あります。
食品衛生管理の面で、食品から発生する危害を予防する目的が一番大きいのですが、労働集約性を緩和し、システム化による生産性の 向上と収益性の確保にあります。
スチームコンベクションオーブンとブラストチラーによる生産性の向上と、真空包装機による時間の有効利用 が、ランニングコストと利益効率を高めることになるでしょう。
外装、看板 はお客を呼ぶ
店舗における外装(外観)は、看板と同じように、お店を知ってもらう上で、とても重要な店舗表現となり ます。そのお店のイメージや店内の雰囲気、メニューや業態、経営者の人柄までが映し出されますので、店舗の外観計画には最善の注意が必要です。
良い店頭条件
・目立つ・・・・離れていてもわかる、看板が大きい、目立つ配色である
・驚きがある・・店頭で動きがある、音や 独自のキャッチフレーズが聞こえる
・安心感・・・・何のお店だかわかる、価格がわかる、店内の雰囲気が見える
・店舗の情 報・・店舗の規模がわかる、においがする、メニューがわかる
・障害がない・・間口が広い、駐輪自転車や他店の看板などがない