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サービスオペレーション
店舗の接客サービスにおける流れにおいて、お客様の来店からお帰りまでの店内の動きをシュミレーションして見ましょう。作業動線やサービス動線の成否によ り、お料理がスムースに提供できない、お客様へのサービスに支障がある、お客様同士が交差できないなどの問題点があると当然、クレームや事故、延いては売 り上げや利益まで影響してしまうでしょう。
効率的なサービスオペレーションにより、回転率を上げ、売り上げを上げるにはコンセプトに沿っ たサービスシステムや接客マニュアルが欠かせません。
サービスシステム
店舗のコンセプトに沿った、最適なサービスシステムを設定する
・ | 予 約受付システム | 電話・FAX・来店・インターネット |
予 約対応フォーマットの作成、確認の方法 | ||
・ | クロークシステム | 手荷物やコートなど のお預かりはどうするのか |
高級店では必須となる | ||
・ | ウェ イティングシステム | ウェイティングスペースの有無はリストアップ方式で効率的に、お客様は返さない |
・ | オー ダリングシステム | 伝票かオーダリングマシンか、メモから伝票へ料理と飲物を別に注文を入れる場合もある |
・ | サー ビスシステム | 商品提供の方法で、セルフサービスやフルサービス、ワゴンサービスや大皿料理・小皿料理形式などさまざま |
・ | 会 計システム | テーブルにて会計(テーブルチェック)キャッシャーにての支払、券売機や現金引換えなど |
・ | 顧 客管理システム | 顧客に対する販売促進 |
オペレーションマニュアル
お客様が来店するたびに、接客の対応が 違うとお店に対するイメージが薄れ、不満へと繋がりかねない。この店はどういう店なのか、どういう接客をしてくれるのか、次はどのような期待をしてよいの かなど、リピーターに繋がる要素は、いつ来ても期待以上の満足が提供できる受け入れ態勢が必要です。
お店の基本マニュアルは、 Q(クオリティ)、S(サービス)、C(クリンリネス)、O(オトモスフィア)の4原則に関わる内容を明記し、全員が遂行できるものであるべきです。
お店のスローガン(共有目標)やサービスシステム、1日の流れ、週ごとの流れ、月ごとの流れなどをマニュアル化しておくことは、接客サービスの効率化や従 業員教育の効率化などの利点があり、店舗の効率的運営、売り上げ増大に繋がって行くことになります。
運用マニュアル
各部署ごとの作業マニュアルや製造機器の操作マニュア ル、レジの作業マニュアルやコーヒーマシンの操作マニュアルなど店舗にはさまざまなマニュアルが存在します。朝出勤して、お店のドアを開ける時から閉店してお 店のドアを閉めて帰るまでの作業マニュアルです。
時間、作業場所、作業内容、担当者、確認事項に分けて1日の仕事の流れを、時間により 細分化し、仕事の責任分担を明確にし、作業漏れのないように作業を遂行していきます。
新人のアルバイトに対して、マニュアルを渡すだけで はなく「やって見せ」「言って聞かせて」「させてみる」という一連の流れが重要で、先輩も確認作業により今の店舗の状況を確認することができます。
接客サービス
お客様に喜ばれるサービスとは、一体どのようなサービスでしょうか?
お客様の来店動機は実にさまざまです。友達と食事に来て今日の仕事や出来事を話しながらストレスを解消したり、久しぶりの家族との食事で、コミュニケー ションをはかる、彼氏とこれからの人生についてゆっくりと話し合う時間を過ごすなど利用する動機は異なります。
そのような利用動機やお客 様の心情を察して、細かな「気配り」や、「心配り」によりお客様は大変喜ばれ、感動していただくことが次回の再来店へとつながり、リピーターとなっていく のです。喜ばれるサービスとは、思っていなかったことや期待していなかったことを当たり前のようにすることではないでしょうか。それが「ホスピタリティ」 であり、「おもてなしの心」として、「接客サービス」と連動して、「好感度サービス」となっていくのです。
人的サービスの特性
無形の商品であるサービスには4つの特性があり、 これらを十分に理解し自店の接客コンセプト、客層などを考慮し、整合性の取れたサービスコンセプトを考えましょう。
・無形 性・・・・・有形のものは購入後所有権が購入者に帰属し触ることができるが、
サービスには形がなく、触ることができな い。
・非分離性・・・生産と消費がほぼ同時に行われるため、切り離して小売すること
ができず、在庫が利かない。
・非均質性・・・品質に対して規定がしづらいため、サービスを実施するたびに、
その品質にバラツキが生じてしまう。
・消滅性・・・・・サービスはその場で生産され、その場で消費されることにより、
その都度消えてしまい、やり直しが利かない。
サービ スとホスピタリティ
サービスの言葉の意味や考え方について、あいまいなものとなっていることが多いようですが、サービスとは商 品を提供する行為であり、行為自体には形がないがそれ自体は経済的価値のある商品となっているものです。また、サービスとは、値段をまける(安くする)こ とだと考えていたり、無料のものだと思っている方もいますが、「サービス」とは有償の行為であり、商品です。
一方、「ホスピタリティ」には、他人に対する貢献、無償奉仕的なニュアンスがありますが、そこにはお客様に対する「おもてなしの心」としての精神もありま す。ホスピタリティそのものでは対価を得られるわけではありませんが、サービスの価値を増進させる働きを持っています。
「サー ビス」+「ホスピタリティ」=「好感度サービス」→固定顧客化(信頼)