飲食店開業:店舗運営の考え方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
サービス力とは店 舗や会社における経営の基本となる経済活動ですが、飲食業でのサービス力は競合他店との競争優位における戦略と言えます。自店のサービスコンセプトが商品 であり、競合他店との差別化になります。

 

サービス力と店舗力

 店舗におけるサービス力とは、店舗におけるサービスのレベルに大きく関係があります。店舗の規模やコンセプトにおいて、商品と価格のバランスは重 要な部分であり、コンセプトに沿った価格設定であり、顧客の来店動機となるTPOSでの店舗決定要因となります。

 総合的な店舗力は、接客サービスのレベルと価格、店舗デザインにおける居心地や清潔感、いつ行っても変わらない対応や価値観など総合的な評価がそ のお店の店舗力と言えます。

 よく出る例えですが、カフェにコーヒーを飲みに来るお客様は、コーヒー1杯の代金で時間と空間を利用しに来ているといいます。ドトールコーヒーで の利用目的はコーヒーを飲むこととタバコを吸うことと待ち合わせをすることが利用動機となりますが、スターバックスではコーヒーと時間と空間が大きな利用 動機となるでしょう。これは店舗の業態設定における立地条件や規模に大きな関係がありますので、サービスレベルは店舗におけるデザインコンセプトに大きく 関係しています。

 私が携わった素晴らしいカフェを紹介します。お店よりもオーナーのお店に対する考え方にとても教わるものがありましたのでご紹介しますが、三軒茶 屋の「まめひこ」です。

 こちらの方は、私のところにご相談に来られた時点ですべてのものがしっかりとできていました。企画書やコンセプト、店内のイメージや商品、従業員 のユニフォームに至るまですべてにおいてこだわりが明確でした。テレビ関係のお仕事をされていることもあり、繊細で綿密なものでした。まるで映画の監督が 助監督や音楽、照明のスタッフに指示を与え、進めていくが如く、彼にとって工事現場はまるでキャンバスでした。その彼が思いとおりにでき上がった店舗に、こ れは「徹子の部屋です」とひとこと。私が徹子で、毎回ゲストを迎えるのがスタジオと言う舞台です。また、従業員は役者でありいかにお客様を楽しませるかを 十分心得ているつもりですと応えていました。この表現が「店舗力」という物でしょう。

 

サービスレベル

 サービスレベルとは業種・業態が設定され、商品の価格やその商品の利用動機および主力客層を決め、店舗におけるサービスコンセプトをつくり上げて いきます。そして、そのコンセプトを平準化することが店舗のサービスレベルを決定することになります。

 サービスレベルに100の接客要素があるとすると、業種・業態によりその接客要素である接遇レベルは、ファーストフードからファミリーレストラ ン、居酒屋、カジュアルレストラン、専門店、レストラン、ホテルなどにより異なることが多いようです。当然、ホテルや料亭・高級旅館などでは100の接遇 レベルに対して、100%以上のものを常に提供していくことが最高級のホスピタリティビジネスに求められることとなります。

 このサービスレベルを業種・業態を問わず、すべての分野において提供することはとても難しいことだと思いますが、サービスレベルはお店側が決めて かかることはできません。お客様はどんなときにおいても、最高の「もてなし」をしてもらうことを望んでいるのです。

 ですから、サービスにおいてできる限り、接遇レベルを高めていくように努力したいですね。

 

サービスエンカウンター(対面サービス)

 エンカウンターとは、お客様と直接接する場面のこと。お客様はお店に入り従業員と接遇し、その場でサービスを消費・消化し、その接客行動に対して 個人的な価値評価を下します。ということは、そこでそのサービスと言う商品すべての満足感や不快感を決定してしまうことになります。

 反対に、その瞬間に最大の満足感や快感を与えることができるならば、そのお客様を貴方のお店のファンにすることが出来ます。お客様は常に敏感に触 覚を張っているのです。

お客様をお迎えするお店側の人間は、いつも複数の「役割」を求められることになります。

 1.カウンセラー(お客様の欲求を明確化する)

 2.コンサルタント(商品・サービス内容の情報提供)

 3.ミーディエイター(お店とお客様の仲介者)

 4.プロデューサー(サービス提供の演出)

 5.アクター(サービスの実行者)

 

「サービスマーケティング」近藤隆雄(生産性出版)より

 

 以上の行為を常に同時に行いお客様に満足を提供することが、接遇サービスの役割です。

 

サービス力を高める

 店舗独自のサービス力とは、業種・業態の接遇する場 面においてそれぞれが発揮することになります。「サービスマニュアルにはないサービス行動を創出すること」が、お店のサービス力を高めることになります。 例えば、お客様のお帰り時に雨が降り出してきた場合に無料の貸出傘を用意する。また、自転車のお客様がお帰りの際にサドルを拭いて差し上げる。

 寒い冬の日には、「ポケットカイロ」を袋から出し、揉み解して暖めたものをコートのポケットに入れて差し上げるなど、心に残る「感動のサービス」 を提供することで他店との差別化が生まれ、自店のサービス力を高めていくことになるでしょう。

 オリジナルなサービスとは、ショー的な見せるサービスや驚かせるサプライズサービスではなく、独自のお店のコンセプトに沿った、心からの「もてな し」であります。サービスは押し売りするものではありません。また来て見たいなと、思わせるようなさり気ないサービスはお客様にとって忘れられないものと なります。

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