飲食店開業:お客様の心を惹く外装のアプローチ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
お客様を惹きつけ させるものが集客の重要ポイントであるならば、店舗の外観やアプローチなどが個性的であり魅力的であることが大切です。今回は外装デザインという切り口か ら集客のコツを紹介します。

 

来店動機となるイメージづくり

 

 お客様を惹きつけさせるものが集客の重要ポイントであるならば、店舗の外観やアプローチなどが個性的であり魅力的であることが大切です。業態の表 現においてお客様を惹きつける要因となるものは、コンセプトといわれる「個性」や「魅力」であり、店舗のイメージづくりはコンセプトづくりであると思われ ます。

 お店の内部が丸見えのお店となると高級感のある居心地のよいお店とはなりません。また多くのお客様を受け入れる安価なお店では、なかがまったく見 えないようではお客様は入ってこないかもしれません。外観のイメージづくりでは、業態に合わせた表現が必要となり、必要としているターゲットの心を惹くよ うな外観やアプローチが必要となります。

 

立地とアプローチの重要性

 

 飲食サービス業態は立地産業といわれますが、特に立地の特性に影響されることが多いようです。出店の際、業態の適正や立地の視認性に合わせて売り 上げ計画の見通しなどと同様に、通行量や交通量、道路状況や建物の構造など十分考慮しなければいけません。

 また、出入り口部分と建物の外観も含めた建物の構造なども重要な部分です。この部分は店舗へのアプローチ部分であり、店舗の内容やメニュー、コン セプトなどを提示し、来店動機となるもっとも大切な部分です。看板や、メニュー、テラス、植栽など店舗の顔であり、「このようなお店です」と表現している部分 でもあります。

 先日、渋谷道玄坂を上がりきったところの地下1階の物件を調査しました。立地としては申し分ないのですが、アプローチ部分に視認性がなく、1階の 店舗がスペースをほとんど使ってしまっているため、地下一階のお店は表現をするスペースがありません。この場合は管理者が店舗に応じた配分をするべきだっ たと思いますが、後からの変更は難しいように思います。

 

店舗の情報を提供する

 

 店舗において外観は非常に重要です。一見客の集客だけでなく、数回その飲食店に行ったことがあるお客様でもその場所がわからなくなる人が多いよう です。そのためには、わかりやすい目印となるようなものが近くにあるとよいでしょう。また、店内の様子が見えなくても、看板やメニューボードなどで何屋な のか、何が食べられるのか、いくら位なのかなど、ある程度の事前の提示が必要になります。当然1階以外の場所では、看板やサインでしかお店の情報が提供で きないことになりますので、少ない文字で簡潔に情報を提供する必要があります。

 パン屋さんやケーキ屋さんはイメージを外観に表現していますし、カフェやレストランでは手書きメニューや商品サンプル、ワインボトルなどでお店の 情報を提供しているところが多くあります。

 

お店の外観は五感に訴える

 

 お店の外観イメージがお客様の感覚を刺激することがあります。サンプルや写真を見ておいしそうといって入ってくる。また、店内のビジュアル表現に より面白そうとか楽しそうなどといって入ってくる。中から流れてくる音楽や匂いなどにより店内に引き寄せられるなど、人間の五感を刺激することで集客する ことがあります。焼肉店の前では、焼肉の匂いや音が臨場感を与え、知らないうちに入ってしまった経験はあると思います。

 パン屋さんの前を通ると、買うつもりではなかったのについ入ってしまったこともあるでしょう。目の前でつくっているものに人間は弱いものです。で きたてとか焼きたてなどもそうです。デパ地下の惣菜売場では目の前で盛り付けているだけなのに、おいしく見えてしまうのも、人間の五感に訴えているからで す。

 

お客に優しい店づくり

 

 今後、60歳以上の高齢者が5人に1人から、4人に1人になる時代に入ろうとしています。当然飲食店においてもこの問題を考慮した高齢者に優しい お店づくりをするべきでしょう。

 また、居心地がよいお店づくりを心掛けなくてはなりません。食事がしやすい、座り心地がよい、暖かい、静かであるなどお店として快適な空間を提供 することも重要なポイントになっています。今後の飲食店が求められるお店づくりにおいて、店舗設計の段階で照明設備や空調設備などは十分配慮して考えるべ きでしょう。

 当然、アプローチから店内に至るまでバリアフリーを考えるべきでしょうが、賃貸物件の場合のほとんどがこの条件を満たしていません。段差における ステップや建物構造からくる段差など、手を加えてスロープにできるならばするべきでしょう。

 

店舗イメージからのターゲット設定

 

 お店の前をとおりかかった人は、お店の外観からどのような店なのか、何を食べさせてくれるのかなど、自分の欲求に合わせた期待を持って判断していま す。郊外型のファミレスや駐車場付きの店舗などは目的を持って来店することが多いようですが、路面店の場合はその場の状況によりお店の利用を決定します。 そのため、繁華街の飲食店では、メニューの内容と料金が明確に表現されています。
 本来飲食店舗では、外観やアプローチにショップコンセプトが表 現され、自ずとターゲットが絞り込まれている訳なのですが、人の流れや状況によりサブターゲットや考えもつかなかった客層が来店することもあります。時代 や社会の変化、流行などにより当初のターゲットから離れていく場合がありますが、コンセプトは流動的なものです。時代の変化と共にコンセプトの「ブレ」を 修正していくことは避けられません。

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