飲食店開業:立地を考える

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
店舗における売り 上げの確保は「集客」で決まります。お店を開いても、お客様が来てくれなければ売り上げの確保は出来ず、利益も出すことができません。お客様を集めるには どうしたらよいのか?ここでは第一弾として集客の基本である、立地の良し悪しについて話を進めていきます。

 

 立地を考える

  「集客のコツ」は、立地の良し悪しが基本であり、立地の条件がよければ「集客」も難しくありません。「売り上げの70%は立地で決まる」と言わ れるように、なんといっても売り上げは立地で決まるのは確かです。

 都心・繁華街立地は、JR・私鉄などの主要駅で、乗り換えの ターミナルなどになっている周辺では、半径500メートルの徒歩圏内には飲食施設が軒を連ねていますが、賃料が高く、競争相手も多いのが現状で、いざ開業 しても思ったほど売り上げが伸びず、すぐに撤退することも少なくないようです。

 郊外・住宅街立地では、利用駅から徒歩5分から15分の住宅街と商店街の境の辺りまでが飲食店舗としての営業可能範囲となりますが、物件の賃料と しては比較的安価であり、同業他店の競争は少ないと思われます。当然売 り上げは小さいもののやり方によっては、経費は抑えることができるため長期安定型の経営体質となるでしょう。

 

主動線か副導線か

  業態による立地の判断を考えると、利用駅からまっすぐ伸びる道路 が主導線と言い、メインとおりとなることが多いようです。この主導線は大手企業のファーストフード店やレストランチェーンが出店しています。この場合は、保 証金や協力金などの店舗取得費のほか、賃料の坪単価も高くなるでしょう。

 又、主導線から横に入るとおりが副導線と言い、居酒屋やレストランなどが出店していることが多いようです。この場合は、街の不動産屋やインターネッ トなどから調べることができます。ほとんどの場合、敷金・礼金・紹介料等で多くて10ヵ月くらいでしょう。

 業態の違いにより集客方法は違いますが、主導線上では視界性や 認知性が高く、一見客の利用も期待できるでしょう。しかし、副導線上ではあらかじめ利用動機として周知性といわれる、「事前に知られていること」が大切であるた めに、販売促進としてのあらゆる手法を行わなくては集客できないでしょう。

立地に合わせた業態を考える

 開業しようと思う人は最初に物件探しから入っていきます。この人はすでに、業種・業態を決めている人でしょう。しかし、業態を決めて から物件探しをしてよいのでしょうか?

 飲食店を開業する際に、開業してからお客様を探していけばよいと 思っている人がとても多いようです。近頃、物件については好条件の物件が少ないようです。しかし、業態を決めてから、どんな物件でもよいからと探し始める となかなか決めることができなくなってしまうでしょう。これは、物件の立地や状態および地域性から自分が考えている業態には合わないと、しだいに判断して来 るよう になるからです。

 立地や物件に合わせた業態を考えると言うことは、個人が考える上 ではとても難しいことかもしれませんが、自分自身が考えてきた拘りやコンセプトが壊れてしまうことの恐怖心で物件が決められない場合があります。この場合 は、優先順位を決めて、自分は何が一番なのか、次に求めるものを順番に決めておくことです。この優先順位評価表を基に、物件の比較を検討し、最良の判断を することでしょう。

 

立地がよいと言うことは?

  立地がよいと言うことは?自分自身が描いていた 環境であったり、自分が好む町だったり、そんなイメージの世界ではいけません。立地がよいと言うことは、「集客力」がある立地であり、物件であるというこ とはないでしょうか。その町にはどのくらいの人口があり、どんな人たちが住み、どんな生活をしているのかを自分の目で確かめることです。

 まず最初に、自分が考えている地域の市町村役場の人口統計課に行 き、その地域の人口データを貰います。これは無料で、5年に一度の国税調査の報告書が国から各都道府県の市町村役場へと戻されますので、このデータから地 域の町丁目(ちょうちょうもく)別の世帯数や男女別、年齢別、昼・夜間別人口、事業所・就業者数などを調べ上げることです。

 次に、「実査」です。実地調査は自分自身の「五感」により「感じ 取る」ことです。その町に住んでいる人の生活を見ることで、何に不満を感じているのかを読み取ることが本来のマーケティングです。私はある町で小さなレス トランを営んでおりますが、3年間の営業でその町を十分理解していたつもりでしたが、お客様の声からある事実を知りました。

 「この街にはおいしいパン屋さんがない」という声が多くなってき たのです。事実、今まであったパン屋さんはすべて撤退していました。その理由を聞いてみると、「高かった」「硬かった」「焼きたてではなかった」などでし た。もしかしたら、この反対をできたら間違いなくヒットするのではと思い、パン屋さんの構想を練りました。私は、「安い」「柔らかい」「焼き たて」というコンセプトを掲げ、低開業費用、低コスト、低人件費をモットーに8坪のパン屋さんを開業しました。販売の営業面積は2坪ですが、見事にヒット し営業坪効率 は100万円をキープしています。

 

無風地帯はブルー・オーシャン

 都会のどこの場所で開業しても、競争相手は存在すると考えていることは間違えです。事実、手づくりのパン屋さんが1件もない街が存在するわけです からね。「立地にあわせた業態」とは、その地域にない業種・業態を見つけ出すことではないでしょうか?

 ニッチといわれる隙間商売を見つけ出すことも、おもしろいと思いますが、「無風地帯」と言われる業種・業態を考えることも一つの手ではないでしょ うか?

 「集客のコツ」の第一歩は、業種・業態の「無風地帯」であれば必ず来てくれるはずです。

 「ブルー・オーシャン」と言う定義がありますが、ここで言う 「無風地帯」と似かよっています。ブルー・オーシャンとは今はまだ存在していない市場-つまり、競争すら存在しない未知の市場空間のことを指しています。 利益の成長、無限の可能性という意味で広大で深く力強い自然の「青い」海のようであるという表現です。これに反して、「レッド・オーシャン」とは、従来の 市場において、競争相手との潰し合いから価格競争が進み、利益体質が崩れ、赤く血に染まっていくと言う意味だそうです。

 確かに、飲食業界では5店舗に1店舗の割り合いで廃業を余儀なくさ れています。これから開業を考えている方は、まず立地の選定を間違えることなく、十分なデータを収集し、できれば「無風地帯」と言われる「ブルー・オー シャン」を見つけ、優位に立つことが「集客」に繋がると言うことでしょう。

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