こんなパターンが考えられる。
起業は、以前に比べてだいぶしやすい環境になってきています。また、起業を支援しようという人達も多くなってきました。会社を作るにしても、最低資本金が緩和され、1円起業も可能になりました。しかし、事業家にとって資金調達は永遠のテーマともいえます。お金をうまくやり繰りしなくては事業の継続はあり得ません。そんな時、「資金的に支援したい」という話が舞い込んだとしたら、あなたはどうしますか?
支援者の方が、
1. あなた個人に貸すという場合
2. あなた個人にあげるという場合
3. あなたの会社に貸すという場合
4. あなたの会社にあげるという場合
5. あなたの会社に出資をするという場合
起業家の皆さんであれば、この5つのどれかに該当してくるのではないかと思います。
1と2は個人間でのやり取りになります。個人事業の皆さんはこの2つのうちのどちらかに該当してくるでしょう。3と4と5は会社を作っている方に関係してきます。
では、税金的にどのような問題があるのかを検討しましょう。
- 目次 -
1. あなた個人に貸すという場合
貸し借りですから、当然ですがきちんと返すことになります。利息を設定すればその部分に課税はありますが、貸し借り自体には課税はありません。金銭消費貸借契約書を作成し、契約どおりに返済していけば問題ありません。(印紙税はかかります。
時として、親族からの借り入れなどで「出世払いでいいよ」なんていうありがたい申し出もあるかもしれません。しかし、税務的には注意が必要です。返す見込みが明らかでない貸し借りは、贈与に認定されてしまうこともあるのです。
すなわち返済の事実もなく、契約もきちんとしていなければ事実上の贈与とみなして贈与税を課税するというものです。起業したての頃は、親族などからの借り入れを行なう場合が多いと思いますが注意してくださいね。
2. あなた個人にあげるという場合
言うまでもなく贈与税がかかってきます。1で書いたような貸し借りの実態がないような取り引きも贈与とみなされてしまいます。贈与税は高いので、知らないでいると後でびっくりすることになるので注意をしてください。
せっかく、支援をしてもらった資金ですから、高額な税金負担に消えてしまうのはもったいない話です。贈与と認定されないように正しく取り扱いましょう。
特に、親との貸し借りはよくある話です。これもまた、注意をしたいところです。3以降の会社にまつわる問題については、Vol.2でお話します。