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会計期間について
実際にビジネスを始めたら、通常、1年間を会計期間として設定し、その期間のお金の出入りを記録し、記録に基づいて決算書を作成したり、税金の額を計算して支払ったりすることになります。会計期間の始まりを「期首」、会計期間の終わりを「期末」といいます。また、期末のことや実際に決算書を作る作業を「決算」といいます。なお、決算書の作成については会社法により、税金の計算については税法により規定されています。
株式会社の会計期間は、1年を超えない範囲で自由に設定できます。
帳簿と計算書類について
お金の情報は、帳簿に記録されます。会社であっても個人事業主であっても、帳簿にお金の情報を記録し、保管しておかなければなりません。
株式会社の場合には、通常、複式簿記により仕訳帳、総勘定元帳という帳簿を作成しなければなりません。これらの帳簿は、会社法の規定により10年間保存することになっています。また、これらの帳簿のみならず、その証拠となる資料、例えば請求書や領収証といった書類についても、同様に保管しなければなりません。ちなみに、これらの証拠資料を証憑(しょうひょう)といいます。
そして、帳簿に基づいて、年に1度、貸借対照表や損益計算書などの計算書類(決算書)を作成します。なお、計算書類は官報や日刊新聞、もしくはインターネット上などで公表しなければならないことになっています。これを公告といいますが、株式会社であれば、その規模と関係なく、従業員がいないような会社であっても実施しなければなりません。
また、その決算書に基づいて法人税の申告書を作成し、税務署に申告することになります。原則として決算後2ヶ月以内に申告しなければなりませんから、注意が必要です。なお、税金に関する書類は、7年間保存しなければならないことが税法で規定されています。
経営者の義務を果たすための体制が必要
これらの手続きを手作業で実施するには限界がありますから、会計ソフトの利用をお勧めいたします。近年では、インターネットバンキングが発達し、会計ソフトの機能も併せ持ったサービスを提供しているような銀行もありますから、そのようなサービスを利用されてもよいでしょう。
また、帳簿の作成から税務申告まで、すべて税理士さんにお願いすることもできます。しかし、すべての責任は経営者にありますから、税理士さんとの信頼関係を築くことや、税理士さんと同様の会計ソフトを利用してデータをチェックできるようにしておくなど、注意が必要です。税理士さんを金額だけで選んだりせず相性をよく見極めるとよいでしょう。
経営者は(1)帳簿を作成、保管し、(2)決算書を作成、公告し、(3)税務申告をし税金を納付する義務を負っています。それぞれのビジネスに合わせ、義務を果たすための体制を作っていく必要があるでしょう。