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2番目の利益「営業利益」
売り上げるためには、商品(サービス)そのものも必要ですが、それを売り上げるための努力が必要になります。例えば、営業したり、広告などにより宣伝をしたり、店舗を構えたりする必要があるでしょう。また、売上金額の集計をしたり、それを帳簿に記録する、ということも必要になります。そして、そのような努力には、多くの場合お金がかかります。いわゆる必要経費がかかるというわけです。
このように、売り上げるためにどうしても必要になる必要経費のことを「販売費および一般管理費」といい、売上総利益(粗利)から販売費および一般管理費を指し引いた利益を「営業利益」といいます。
通常、商品を仕入れてきただけでは売上にはつながりませんから、この営業利益こそが、ビジネスから得られた儲けだと考えることが出来るのです。
販売費および一般管理費の内容
業種によって異なりますが、一般的に人件費と場所代が、販売費および一般管理費の主な中身であるといわれています。
人件費というと、単に給与のみを思い浮かべてしまいそうですが、会社は必ず厚生年金等に加入しなければなりませんので、給与を支払えば、その分だけ厚生年金保険料も必要になります。また、従業員を雇えば、雇用保険などの労働保険も必要になります。具体的には「額面×1.5」くらいの人件費が必要だと考えて差し支えないでしょう。
場所代についても、オフィスを借りている場合には、家賃を支払わなければなりませんし、自社ビルなどであったとしても、減価償却費という経費が発生します。
販売費および一般管理費を整理し、営業利益を把握することで、ビジネスにどのような経費が必要なのか?どうすればもっと儲かるのか?もしくは、どうして儲からないのか?の原因を探ることができるようになります。
3番目の利益「経常利益」
さらに、ビジネスのための資金を銀行などから借りている場合には、利息の支払いが必要になります。利息の支払いは、広い意味では必要経費といえるでしょう。しかし、販売費および一般管理費と違って、お金を返せば支払いの必要はなくなりますから、それらと区別しておくことが重要です。
逆に、お金を銀行へ預けているような場合、利息を受け取ることがあります。これは、一種の儲けだと考えられますが、売り上げとは区別しておくことが重要です。なぜなら本来のビジネスによって得られたお金ではないからです。
このような利息の支払いや受け取りは、本来のビジネスとは一線を画したものであることから、利息などの支払いを「営業外費用」、受け取りを「営業外収益」として区別して把握します。そして、営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を差し引いた利益を「経常利益」とよびますが、営業利益が「本来のビジネスそのものの儲け力」を表すのに対し、経常利益は「現状の資金状態も含めた儲け力」を表すものになります。
このように経費を分類し、営業利益と経常利益を把握することにより、ビジネスそのものを強化しなくてはならないのか、資金面を強化しなければならないのか、といった判断をしていくことができるようになるのです。