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信用取引
商品の売買をしたときではなく、後日、その代金の決済をするような取り引きを、「信用取引」といいます。例えば、1カ月分の商品の売買を集計して、代金は翌月払うようなケースが考えられます。
信用取引を行う場合、「商品を売上げる」と一言で言っても、1.注文を受ける2.発送する3.請求する4.代金が振込まれる、といったプロセスを経ることになり、1から4 の期間が数カ月間という長期にわたる可能性もあるのです。
売上と実現主義
そして、会社の計算上、原則として上記における2の段階で、「売り上げ」として集計することになります。つまり、会社の倉庫から、お客さんに対して商品を出荷した時点で「売り上げ」と考えるのです。
このように、4の代金が実際に振込まれたときではなく、商品を出荷した時点で売り上げ(収益)とする考え方を実現主義といいます。
費用と発生主義
逆に、こちらが支払う場合も、同じような考え方になります。
例えば、オフィスの家賃を前月に前払いすることが多いかと思いますが、家賃を支払ったときではなく、オフィスを利用したときに経費として集計します。また、水道光熱費などは、今月の使用分を来月に支払うことになるかと思いますが、あくまでも、今月の経費として集計することになります。
このように、お金を支払ったときではなく、実際に使用した時点で経費(費用)とする考え方を発生主義といいます。
利益の分だけお金が増えているとは限らない
利益=収益-費用
です。そして、この利益こそが、会社の業績として評価されますし、税金の計算の基礎にもなります。
しかし、収益の分だけお金が入っているとは限りませんし、逆に費用の分だけお金が出て行ったとも限りません。そのため、会計のルールに従って計算した結果、利益が出ていたとしても、その分だけ、手元のお金が増えているかというと、そうではないのです。
そのため、実際のお金の動きと、利益とのズレについては、常に留意する必要があるのです。