やさしい企業会計 Vol.13 目的に合わせた資金調達方法のポイント

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
日々の資金繰りや法人税の支払いに注意すると同時に、長期的に安定した経営をするための長期的な資金繰りの視点も重要です。

資金の調達方法はいろいろある

 ビジネスの展開のために資金が必要になった場合、その調達の方法はいくつもあります。
 あらたに株を発行して出資を募る、銀行などの金融機関からお金を借りる、社債券を発行して広く市場からお金を借りる、という方法が代表的なものとして挙げられます。
 企業は、必要な額や用途に応じた資金調達方法を考えていかなくてはなりません。
 資金は、その金額と用途に合わせて調達しなければなりません。
 例えば、一時的な仕入資金が必要な場合と、設備投資のための資金が必要な場合とでは、同じように考えられないことは明白でしょう。
 調達方法を間違えれば、資金繰りが悪化し、そのまま倒産ということもありうるのです。

 

資金調達方法を考えるポイントは二つ

 資金調達を考える上でのポイントは二つあります。
 一つは、資金の安定性です。
 資金には、株主からの出資のように、原則として返済義務のないものや返済期間が何十年にもわたる借り入れなどのような、長期にわたって利用できる資金と、数カ月後には返済しなければならないような短期的な資金とがあります。一般的には前者のほうが安定した資金であり、このような資金調達ができれば、短期的に倒産の危機が訪れるという状況を避けることができます。
 設備投資や長期的なビジネスのための資金などは、できるだけ安定した資金調達をすることが重要です。
 もう一つは、資金のコストです。
 お金を借りてくれば、利息がかかります。お金を調達してくることによって生じる費用を、「資金調達コスト」などといいます。
  株主からの出資に対しては、一定の利息を支払わなければいけないという義務はありません。そのため、大規模な企業、上場企業などでなければ、株主からの資金調達に関してはコストがかからないものと考えて差し支えないでしょう。しかし、利益が出れば、配当によって還元する必要が生じます。そもそも株主は、利益を期待して出資してくれていると考えられることから、出資に対しても、目には見えないコストがかかっている、とされています。ちなみに、この目に見えない、出資に対するコストを、「(株主)資本コスト」といいます。
 資金を調達するのは、その資金によってより大きな利益を得るためであり、当然に利息を上回るだけの利益を得なければ意味がありません。
 借入期間や利率によって、利息の金額は大きく異なってきますから、注意が必要です。

 

長期的な視点にたった資金繰りを考えましょう

 企業の経営は、1、2年うまくいけばよいというものではありません。
 大企業は当然のことながら、中小企業や個人企業であっても、取引先や消費者に支えられ、社会的な影響力を持って存在しています。
 そのため、ビジネスや資金調達についても、何十年という尺度で判断していかなければならないのです。
 もちろん、未来のことは誰にもわかりませんが、その場しのぎの資金繰りは、結局自らを苦しめることになりますから注意が必要です。

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