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負債とは
負債とは、お金を支払う義務をいいます。銀行から借りたお金を返す義務はもちろんのこと、商品を仕入れた際の代金を支払う義務をいいます。
負債も資産と同様、流動負債、固定負債と分類でき、そこから資金の安定性を読み取ることが重要です。
しかしもう一方で、負債を理解するためには異なる視点が必要です。
有利子負債
負債のうち、いわゆる借金のように、利息とともに返済する義務を「有利子負債」といいます。
有利子負債は、通常、返済スケジュールも契約によって定められ、利息を支払う必要があるため、将来にわたって、借りてきた以上のお金の支出を生み出すことになります。
そのため、企業がこのような負債を利用する場合には、資金の使途は当然のことながら、返済スケジュールや借入利率についても、慎重に判断する必要があります。
また、有利子負債が少しでも少ないほうが、企業としては安定している状態ということができます。
引当金
また、負債の中で少し特殊なものとして「引当金」があります。
引当金とは、将来の費用であって、その原因がすでに発生しており、費用となる可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に、その額を賃借対照表の負債の部(貸倒引当金の場合には「資産の部」)に記載したものです。例えば、従業員への退職金は、退職時に支払う将来の費用ですが、退職時まで毎年働いてくれたことに対する報酬と考えることができますし、退職金規定などに基づいて金額の計算も可能で支払う可能性も高いものと考えられます。そのため、将来の支払額を見積もって、引当金という負債を計上するのです。
引当金は、絶対に支出になるとは限らず、その金額も見積もりに基づく点に特徴があります。場合によっては、金額を見積もることも難しく、実際の支払額がいくらになるのかは、何十年も先にならないとわからないこともあります。
純資産とは
株主からお金を出してもらうことを出資といい、出資してもらったお金を含む、資産から負債を差引いた差額を「純資産」といいます。
株主から出資してもらったお金は、原則として、株主に返済する必要はありませんから、純資産は、返済する必要のない財産の額ということになります。そのため、もっとも安定した資金であるといえるでしょう。
なお、純資産の部は、「株主資本」「評価・換算替資本」「新株予約権」という項目から成っており、「株主資本」には株主からの出資と利益が、「評価・換算差額」などには資産を時価評価した際の含み益が、「新株予約権」にはこれから新たに出資となる可能性のある出資に準じた金額が計上されます。このうち、「評価・換算替資本」は金額が変動しやすく、「新株予約権」は出資に至らない可能性もありますので、安定した資金として考えないほうがよいかもしれません。