- 目次 -
決算は一年を振り返るチャンス
決算というと、法人税のことばかり気になってしまう方も多いかもしれませんが、決算とはそもそも利益を確定し、一年を締めくくる意味を持つ大切な作業。
決算書の作成を通じて、一年間の経営を振り返ってみるチャンスと考えてみてはいかがでしょうか。
金庫内の整理
決算において、まず重要なことは、会社の現金と預金の残高を確定させることです。
会社内の金庫に保管されている現金があれば、期末の残高をきちんと把握しましょう。現金出納帳との差額がある場合には、現金出納帳の残高を実際の残高に合わせる必要があります。
まずは、差額の原因を究明し、判明した場合には現金出納帳(およびその他の帳簿)を修正します。判明しなかった場合には、
「実際残高 < 現金出納帳残高」
であれば「雑損失」という費用を計上して現金出納帳残高を減らします。
「実際残高 > 現金出納帳残高」
であれば、「雑収入」という収益を計上して現金出納帳残高を増やします。
預金については通帳記入を行い、3月決算の会社であれば3月末の正確な残高を知るために、4月上旬までの取り引きを記帳しておくとよいでしょう。銀行から「残高証明書」を発行してもらう、という方法も効果的です。
そのほか、金庫内に手形や小切手、処理を忘れていた請求書や領収書がないかどうか、しっかり整理するようにしましょう。
請求もれや支払いもれに注意しましょう
そのほかの月であれば、請求漏れや支払い漏れがあっても、取引先との関係で大きな問題にはならないかもしれません。
しかし、決算月には、支払ったかどうかわからない書類、請求し忘れているものなどがあると、決算の混乱のなかでうやむやになってしまうことがあります。
そのため、3 月、4月の書類の取り扱いには、普段以上に気をつけ、期日までに支払いや請求の処理を済ませておくことが大切です。
さらに、請求内容や支払い内容について、金額が正しいのか、きちんと支払いがなされるのかといった不安要素がある場合には、取引先と連絡を取り、内容を確定させておくとよいでしょう。
また、きちんとした書類がなければ、税務上、経費として認められないなどの不都合も出てきますから、注意が必要です。
なお、法人税などの支払いなど、資金繰りの関係上、決算前後の取り引きについて、いつ、お金の授受が行われるのかを正確に把握しておきましょう。